こんにちは異世界07

 それからというものも、安室が普段いそうな場所には一切近付かず、家事全般をこなしながら近所探索に明け暮れる毎日を過ごしていた秋良。ご近所さんの名前も覚えつつあったとある昼下がり。その日もいつものように家の掃除や洗濯など行い、今晩の材料を調達しにスーパーへ足を運んでいた。いつもと変わらない日常。それが今日限りで終了するとも知らずに。




「───おいっ!」

「わっ!?」

 急に後から肩を思いっきり掴まれた秋良。いきなりの事でバランスを崩し、その場でたたらを踏んだ。

「ちょっと来い!」

「え、あ、ちょっ!?」

体制を立て直せぬまま、何者かに更に引っ張られた秋良は、ぐいぐいと人気の無い細い路地裏へと引っ張りこまれてゆく。

 そして行き止まりになったそこで、秋良は壁に勢い良く叩きつけられた。

「いっ!」

 身動きが取れないくらい力強く抑え込まれ、あまりの苦痛に顔を歪める。

「おい!お前だな、最近の仕業は!!」

「う、く…いたっいたたた!痛い!っな、何のことですか一体?!」

 ギリギリと肩を痛いくらい掴まれ壁に押し付けられる秋良。あまりにも急展開過ぎて何が起きているのか理解出来ない。取り敢えず相手の言葉は荒々しく、物凄く怒っているのだけは理解出来たが。

 しかしだからと言って、急にこんな暴力紛いの事される言われなどない。苦痛に顔を歪めたまま、秋良は目の前の人物に目を向けた。

「うぐ、一体なんです……か!?」

 そしてバチッと目が合った瞬間、あまりにも驚き過ぎて息が止まりかけた。

「っつ!?」

 褐色の肌に金色の髪。怒りに染まったその瞳は自分の瞳とは少し違い、ほんのり灰色がかったブルーのように見えた。ってそんな事はどうでも良いのだ。それよりなにより…いや、まさか。

「一体何ですか、はこっちのセリフだ!最近、俺の姿でこの辺動いてるってのお前だろう!?」

 そう、目の前にいるのは最近漸く見慣れてきた顔。いつもは鏡越しでしか見たことないその顔に、秋良はあんぐりと口を大きく開けた。

「うわうわうわあああああっ」

「おい、聞いてるのかっ!?」

「はっはい!聞いております!」

 怒り心頭。そうなるのも無理はない。秋良はこの後の展開を頭に浮かべ心の中で涙した。



 まさかのご本人登場とは!!



 

top