敵か味方か14
───一方その頃、ジョディ達は謎の車に追い掛けられていた。「くぅっ」
「うそ!?」
カーブを抜け前を見れば、そこにはズラリと並ぶ車達。ここは通さないぞとばかりに並べられた車に、ジョディの顔が分かりやすく青ざめた。
「車でバリケード!?」
どうすれば…。ジョディは考える間もなく、キャメルに鋭い声を投げ掛けられた。
「舌を噛まないように奥歯噛み締めてて下さいよ!?」
ここを抜ける気か!と奥歯をギュッと噛み締め身体に力を入れる。その途端鳴り響くスキール音と衝撃音。
キャメルは勢いよく車体を岩に乗り上げ右側の車輪を上げると、バリケードを張っていた車の間を上手くすり抜けていった。
それに茫然としたのは車でバリケードを作っていた男達だった。まさかこれを抜けるとは…。驚き固まっている男達に、一人の男が慌てたように指示を出す。
「何してる!!追え!!」
謎の追っ手を撒いた所で、ジョディは漸く強ばっていた表情を和らげた。
「さっすがキャメル!」
「しかし何なんですか、アイツら!?」
その言葉にジョディはぐっと表情を引き締める。
「ヤツらの仲間でしょうね。シュウが生きているって分かったから私達を拘束してシュウを誘い出すエサにする気なのかも」
考えられるのはバーボンの仲間って事くらいだ。赤井の死に疑念を抱いていたのは同じなのだろうとジョディは表情を厳しいものに変えた。
「って事は…やっぱり自分が楠田の拳銃自殺を漏らしたせいで赤井さんを計画を台無しに…っ」
「悔やんでる暇は無いわよ!今は奴らを振り切る事に集中して!」
そう言われても頭を過ぎるのは2年前のあの時の映像。あと少しでジンを捕えられたと言うのに、それなのにキャメルはひとつのミスを犯してしまっていた。
───2年前のあの時と同じだ。また、やってしまった!
「すみません、赤井さん…っ」
また自分のせいで足を引っ張ってしまった。後悔が胸を締め付ける。その時、車がぐらりと揺らいだのに気付いた。
「っ!まずい、ハンドルが右に右に取られてしまう…!」
「どういう事!?」
「多分、さっき岩に乗り上げた時にタイヤとホイールがダメージを喰らってリムが曲がり、タイヤのエアーが漏れはじめているんです」
「ええっ!?」
岩に乗り上げたのだから無事では無いとは思ったがまさかここまでダメージを負っていたとは。
「このままじゃ…追い付かれる…!!」
バックミラーを覗けば猛スピードで追い掛けてくる奴らの車が見えハンドルを握る手に力が籠る。
「キャメル!何とかして!すぐそこまで迫ってきているわよ!」
「何とかしてって言われても…!っこんな時、赤井さんなら何とかするでしょうけど…!」
どうすればこの境地を抜けられるのか。焦燥感に苛まれながら必死に頭を働かせた。