そういうイベント 

「いよっしゃい!」


入浴後。決死の思いで友香里ちゃんの服に袖を通してみたら、わりとすんなり入ってくれた。

これは喜ばずにはいられない…あのスリムな友香里ちゃんの服が入るなんて…!


「私もまだまだいけるってことかー!これなら…」


嬉しさのあまり友香里ちゃんの服を抱きしめる勢いで自分をギュウッと抱きしめていると、不意に鏡の中の自分と目が合った。

洗面台の前で何を1人ではしゃいでるんだ、鏡の中の貴様は。

急に我に返った私は、すぐさま自分を抱きしめるのをやめてズボンに脚を通した。


「これで白石君の服着なくて済む〜」


もしピチピチだったら、最終手段として白石君の服を借りるつもりだった。

やっぱりピチピチになってまで着るのはダメだ、寝てる間に服がはち切れちゃったりなんて事があったら非常に困る。
どんな顔して友香里ちゃんに謝ればいいんだ。

頭に巻いていたバスタオルを外して、ドライヤーのスイッチをオン。
濡れた髪の毛を豪快に顔に垂らしながら、温風に晒した。


「あー、緊張するなー」


わりと大きい声で今の気持ちを口に出した。

ドライヤーの音で声がかき消されてるから、誰にも聞こえてないだろうという軽い考え。
これで歌うの結構楽しいんだよなー!人ん家なんで今日は歌わないけど!

70%くらい乾かし終えたあと、手ぐしで髪を整えながら冷風に切り替え。
なるだけ内側にして、毛先がハネないように。


「よし、こんなもんで。………はぁ。」


ドアノブに手をかけながら、洗面所から出ようか出まいか迷った。
服も着れたし、髪も乾かしたし、もうここに用はない。

あるとすれば歯磨きくらいだけど…外で買っておいた使い捨て歯ブラシは今、白石君の部屋の私のカバンの中だ。
どのみち白石君の部屋に行かなきゃいけない。

……それが嫌なんだよなぁ…白石君の部屋戻るの、なんか緊張して…でも長居してたら次の人が入れない!出よ!

思い切って洗面所から出た私は、白石君の部屋がある階段、ではなく、リビングへ向かった。

白石君のお母さんに報告せんと!風呂上がったって!


「お母さん、お風呂ありがとうございました!」

「えらい早いやないの!もっとゆっくりしたら良かったのに〜」

「普通普通!ほんまサッパリしましたよ〜お風呂めっちゃ綺麗ですし!」

「いやほんま!?嬉しいわ〜そんなこと言うてくれるん名前ちゃんくらいやで。私が一生懸命掃除しても子どもらもそこのオッサンも何も言うてくれへんのに。」


お母さんはテレビの前でおつまみの枝豆を食べながらビールを飲むという典型的なお父さん像のお父さんに向かって、わざとらしく言い放った。

うちのお父さんもあんな感じでテレビ見てるけど、どこのお父さんもああいう感じなのか。テンプレだな〜!

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わらびもち

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