そういうイベント 

「やっぱり、一緒に寝てもいいかな。」

「それは願ってもない事やけど…無理してへんか?」

「恥ずかしくて死にそうです。」

「ほら…無理しやんでええよ。嫌じゃないってわかっただけ嬉しかったから」

「でも私が床で寝るって言ったら、白石君が床で寝るって言い出すやろ?」

「その通りやけど……ええの?」

「もちろん。白石君のこと好きやから。」

「…ほな、一緒に寝よか」

「はい…」


白石君も私も消え入りそうな声で、淡々と言葉を交わした。

ちっかいな白石君の顔、ちっか。

近くで見ると更に綺麗な顔してるんだなって実感がね、もう。
なんでそんなにお肌綺麗なんだ、白っ、ツヤツヤ、フレッシュ…

いつまで経っても離れようとしない白石君の顔、主にお肌のきめ細やかさから目が離せないでいた。

よくよく考えたらなんなのこの妙な時間。
私はいつまで白石君の綺麗なお肌を見つめてればいいんだい。

そろそろ顔を逸らしたほうがいいのかと思っていたら、逆に白石君の顔がどんどん近付いてきた。


「名前…」


心臓が、体全体が、感電したかと思った。
反則反則反則、いや反則。いつもちゃん付けなのにこれはあかん。呼び捨て耐性無いからやめぇ。

私の名前を口にした白石君の唇が、だんだんと近付いてくる。
これはもしかして、もしかしなくても口にされる?ぽいぞ、ぽいな…

キスされる、K・I・S・Sとしか考えられない脳内お花畑モードの中、相変わらず白石君の透き通るようなお肌を見ていたら階段を上る足音が耳に入ってきた。


「蔵ノ介〜お風呂わいたから名前ちゃんに入ってもらいよ〜」


ノック無しにガチャリと開いたドアの向こうには、白石君のお母さんの姿が。

友香里ちゃんはお泊りで居ないと言ったが、白石君のお母さんやお父さんが居ないとは一言も言ってないぜ!

因みに、白石君のお姉ちゃんは今日は飲み会で帰りが遅くなるらしい。


「バスタオル用意しといたから、先入っといでね名前ちゃん」

「やった!おおきにー!」


白石君のお母さんは私に笑いかけてから、床の上に転がっている白石君を見て奇怪そうな顔をしながらドアを閉めた。

間一髪!ドアが開く直前で白石君をドスコイと突き飛ばしたんでね!


「なんや、お約束やな…」

「白石君ごめん、急に張り手してもうて。」

「ええよ……オカンに見られるわけにもいかんかったし。」

「頭うってない?平気?」

「ん…せやな、名前ちゃんからキスしてくれたら痛いん吹っ飛ぶかも」

「お風呂入ってこー!」

「ちょおっ」


私は床に転がっていた白石君の上を飛び越え、友香里ちゃんから借りた服を持って部屋を飛び出た。

お風呂は1時間近く入る私だが、人ん家では烏の行水コースで行くぜ!!



一方その頃
名前がお風呂に出かけた後の白石君の部屋では。


「白やん…」


学校帰りで鍵を忘れてしまった名前は、当然、制服姿のまま。

これは寝っ転がっていた白石君の上を飛び越えた行儀の悪い名前が招いた、今日イチのラッキースケベ。

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わらびもち

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