手のひらに 

お昼休みも終わりに近づいてきた頃。
岳人と教室に戻ろうとしたら、裏庭にある大きな木の下で爆睡しているジロちゃんを発見した。

わからない……何故この子は衛生的に大丈夫かわからないような地べたで寝そべることが出来るのか。

まぁまぁ、芝生の上で寝っ転がるのは憧れるけども。ふわふわしてて気持ちよさそうだし、映画のワンシーンみたいで素敵だ。

現実は虫とか衛生面が気になってとてもできないが、それを平気でやってのけるジロちゃんは流石よね。


「おいジロー!昼休み終わるぞ、起きろ!」

「ぐがぁ」

「ほっほっほ。届いてませんな〜」

「親切で起こしてやってんのに…お前も声かけろよ、同じクラスだろ。」

「いえいえ、私はそんなそんな。」

「は?それなんの遠慮?」

「要するにめんどくさくてね。」

「いいから起こすの手伝えバカ!こらジロー!起ーきーろー!」


これで卒業できなくなったらマジで笑えないからと、ジロちゃんを徹底的に起こしにかかった岳人。
岳人は優しいな。私なら気持ちよさそうに眠ってる人を無理に起こせないよめんどくさくて!

そのうち最終手段としてジロちゃんの両頬をぐにーんと引き伸ばし始めた岳人。

ジロちゃんのほっぺは特に柔らかいから、伸ばしがいあるのわかるよ!


「あーもう!なんで起きないのコイツ!?」

「岳人の起こし方に慣れちゃったんだね〜」

「はあ!?どんだけ眠りに集中してんだこいつ!」

「違う起こし方してみたらいいじゃん。」

「違う起こし方って…例えばどんな?」

「お目覚めのキスを」

「却下。」

「えっ、名案かと…」

「どこが!?なんで俺がジローにキスしなきゃいけないんだよ!」

「眠り姫にはやはりキスが一番」

「姫じゃねーだろ!普通にしたくないし!!もうすぐで予鈴鳴るじゃんか…俺次移動教室なんだけど」

「それを早く言いなよ!先行って、私が起こしとくから!」

「いやでも、絶対そのまま放置して帰るだろお前」

「大丈夫!最終教室まで引きずって行くよ!」

「危ないからやめろよそれ!てか俺が起こして起きなかったのに、名前が起こしたところで」

「岳人の起こし方に慣れてても、私の起こし方には慣れてないかもよ。」

「いやいや、そんな根拠のない…」


そこで校内中に予鈴が鳴り響いた。
岳人は移動教室だから、今戻らないと遅刻してしまうかもしれない。

予鈴が鳴っても尚眠り続けるジロちゃんの隣でしゃがみ込んで、岳人を急かした。


「任せて、ちゃんと起こすから!」

「けど…」

「そんなに心配なら岳人がジロちゃんにお目覚めのキスを試してくれれば」

「後は任せた!!!」

「はい!またね!」


私が手を振ると、岳人は納得がいかないような顔でジロちゃんの方を見てから私に手を振り返し、颯爽と走っていった。

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わらびもち

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