手のひらに 

待ちに待った古典の授業中。配られたプリントを前の席の亮から受け取り、いつも通りジロちゃんの机に置こうと体をねじった。


「なえっ…」


なんとジロちゃんが机に突っ伏す事なく、パッチリ目を開けて起きている。
なんだこれ、なに、誰!一体誰なんだ!?

あまりの事態に固まっていると、ジロちゃんがプリントを回すよう催促してきた。


「なんで?なんで起きて」

「オッ…」


ジロちゃんにプリントを手渡してたら後ろからオットセイの鳴き声が聞こえた。
前を向くと、亮がこちらを振り返ってギョッとした顔をして固まっている。

そうなるよね!亮なら分かってくれると思ったよ!この摩訶不思議な出来事!
だって古典の授業は100%居眠りしてるのに!古典の先生も諦めてしまってるほど!もはや先生公認!


「なんで起きてんだ、本当に慈郎か…?」

「ちっ違う…これはジロちゃんじゃない、別の誰かなんだ…!」

「ああ、そうに違いねぇ…別の魂が乗り移ってんぞ確実に…」

「E〜から前見なよ2人とも!」


私たちに前を向くよう促したジロちゃんは、おもしろそうに笑った。

まさかのキスの効果が持続されてる…?
でもあんな一瞬のキスくらいでジロちゃんの最も眠たくなる古典の授業で起きてられるか?

否…!絶対何か他の理由があるはずだ!
跡部さんとテニスできたから?今日は体育の授業があったから?新作のお菓子を食べたから

……彼女が居るから、とか?

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わらびもち

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