手のひらに 

5秒くらい経ったあとに唇を離すと、ジロちゃんがにへらぁと笑った。


「ん〜ありがと。」

「じゃあ早く行こ!次は私の大好きな古典だよ!」

「やっぱこのままここで寝とこうかな〜」

「そんな…せっかくキスしたのに…」

「もう一回してくれたら行くかも〜」

「行くかもって言い方が非常に気に食わない…私まで遅刻しそうなので失礼します。」

「あっ、ちょっと名前ー!」


ジロちゃんを押しのける形で立ち上がった私は、スカートを手で払いながら駆け足で教室へと走った。

古典は絶対にサボらない、古典のある日はどんなに体調が悪くても学校へ行く。それだけ好きなんだ!だからジロちゃんは見捨てるしかない!ごめんよ岳人、自分の方が可愛いのさ!

教室の前まで走ってきた私は本鈴が鳴る前に着席しようと開いていたドアを通り抜けて、なんとなく後ろを振り返った。


「うわ!びっくりした…」

「名前さ、マジ走んのおっそいよね〜」


いつの間にか真後ろにジロちゃんが立っていた。

肩で息をする私に対して、ジロちゃんは息ひとつ乱れていない。
なるほど、本当に運動部の人なんだな…


「寝るんじゃないの?」

「さっきので元気出たから大丈夫!」

「えっそう?じゃあ…授業受けれるね。」


あんなに短い一回きりのキスで元気出たんだ。
ジロちゃんのことだからもっと長いことしないと、元気出ないのかと思った。今朝のやつもそうだし…

まぁジロちゃんが授業をサボらずに済んだことに変わりはない。あとで岳人に報告しよ!あと、とっておきの起こし方提供!

私たちが席に着席したと同時に本鈴が鳴った。
ギリ間に合った!これからワクワクの古典の授業が始まると思うと全く眠れない。

ジロちゃんは古典になると眠くなって仕方ないようだが、今回はキスの効果で起きれてられたり…はないか。
古典の先生の声は子守唄だもんな。5分も経たないうちに居眠りしそうだ。

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わらびもち

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