てんとうむし 

あれ以来、苗字とよく話をするようになった。

声かけてるうちにだんだん慣れてきたみたいだし、最初の頃に比べると苗字もだいぶ素で話せるようになったんじゃねぇか?

それでも、一方的に声をかけてるのは俺なんだけどな〜
用があるなら声かけてくれても全然いいんだけど、そこら辺はまだ遠慮してる感じだ。

俺に慣れたとはいえ、もともと内気なやつだからな。
そこは仕方ないか。


………
授業終了のチャイムが鳴って、教室内がガヤガヤし始めた。
この次は………数学かよ〜だるいな。

壁に貼ってある時間割りを見ながら机に歴史の教科書突っ込んで、後ろを振り返った。


「いつも悪いのう」

「悪いと思うなら自分でとればいいのに…」

「ほーう?小言を言う悪い口はこれか」

「ちょっ、仁王くん!」

「うわ。仁王くんの言い方が柳生そっくりじゃのお前さん。」

「どちら様…?」


最初の頃と同様に、仁王と喋る時は苗字にも話ふったりして、なるべく3人で話してた。

俺だけでも十分だとは思ったけど、違うタイプの男にも慣れとけば、その分早く慣れて効率よさそうだろ?
いろいろ工夫してんだぜ〜俺も!

そのおかげで仁王にも慣れてきたのか、最近では苗字が仁王と2人で話してる時がある。
今がそうだな!

つか俺以外の男と話せるようになってるって、すごい事よな?
成長したなぁ、苗字のやつ!
ちゃんと仁王と話できてるみたいだし、俺も嬉しいぜ。

こっからだとなに話してるかいまいち把握できねぇけど…周りがうるさくてあんま聞こえねぇんだよな。


「お休みしててノート見せるんだったらいいけど、仁王くんはちゃんと学校に来てるんだから…」

「ノート写そうという意思があるだけ真面目やと思わんか?」

「いや、授業が終わってから帰ってくる時点で不真面目だし…」


苗字が後ろの仁王にノートを手渡しているのが見えた。

あ〜なるほど、ノートね。
そういやさっきまで居なかったもんな、仁王のやつ。

にしても、苗字が仁王と2人で話す時って授業ノート見せる時くらいじゃないか?

仁王と話せるようにはなってるが、苗字は自分から声かけねぇし、仁王もノートの時くらいしか声かけない。
俺が知る限りでは。

もしそうだとしたら、微妙な関係だな〜
仁王と普通に会話できてるだけ、まだいいんだけど。


「お前さんのノートはいつ見ても丁寧でわかりやすいぜよ」

「そ、そうかな〜」

「という事で数学の宿題見せてくんしゃい」

「それが狙いだったの……あれ?でも仁王くんって数学得意だったよね」

「ノート見せてくれた代わりに、宿題の答えが間違ってるか見てやるぜよ」

「えっ、私の答えが間違ってる前提…?」


なかなか話を切り上げない苗字と仁王に、ちょっとイライラした。

つか毎回毎回苗字にノート借りるなよ仁王も、ちゃんと授業出ればノートとれんだろ。

って、ノート借りる事無くなったら苗字が仁王と話す機会がなくなっちまうか…
いや、でも、ノート以外にも話題はあるよな?普通に。

苗字はノート見せてくれるだけのやつじゃないし、これはサボってノートとれない仁王が悪いし。

苗字に甘えすぎるのも考えもんだ、迷惑ばっかかけてちゃだめだって。

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わらびもち

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