てんとうむし
仁王の意図はわからんけど、喧嘩はしてない。
ああやってふざけてきてる辺り、俺と喧嘩してるなんて微塵も思ってねぇよあいつも。
ま、苗字の悪い癖だな。
何でもかんでも自分のせいにしちゃうとこ。
「ったく苗字は。神経質なんだから」
「でも…」
「大丈夫だって、あれくらいで絶交とか言わねぇよ。俺のおやつ勝手に食べたりしたらするかもだけど」
「なんか、絶交の基準が……」
「とにかく、もう怒ってないから。」
「本当…?」
「おう。仲良しだもんな〜俺ら」
後ろの仁王に向かって言ったら、ポケ〜っとした顔で見返してきた。
ったく、なんだそのおとぼけ顔。
お前のいけずのおかげで苗字がいろいろ勘違いしちゃってたんだからな。
「苗字」
後ろの仁王を振り返っていた苗字に呼びかけると、バっとこちらを向いた。
思いっきり振り向きすぎて髪の毛鼻にかかってんじゃん。
そんなおどおどすんなよなぁ…
ほんと、ほっとけねぇっていうか。
「宿題の答え合わせしてくれんだろ?やろうぜい。」
「あ……うん!」
自分の宿題プリントを苗字の机に置くと、苗字は長い前髪をすかしながら笑った。
不安にさせてたみたいで悪かったけど、こんな風に気にかけてもらえるっていい事だよな?
だって興味のない奴の事なんて気にかけたりしないもん。
苗字と仲良くなってる証拠だな〜こりゃ!
「てか1分も経たないうちに俺に声かけてなかった?ほんとにちゃんと見てもらったのか?」
「一問間違ってただけだから、すぐに終わっちゃって」
「マジか、やるじゃん!数学苦手な苗字が一問しか間違ってなかったってことは、俺は全問正解だったりして。」
「どうかなあ。じゃあ、答え合わせしよ!」
「おう!」
──結果、半分以上間違ってた。
あぶね、答え合わせしてなかったらほぼほぼ間違いのまま出してるところだ。
っぶねー…
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わらびもち