手のひらに
ああ、頭ではやめようと思っても、体が言うことを聞かない………言ってる場合か!
パターンに入ったら最後、お互いが満足するまで抜け出せなくなってしまう。
早いとこ切り上げないと朝の時間がどんどんなくなっていくじゃないか!
なにより私には可愛いフラワー達が待ってる。
こんなもやもやした気持ちでするキスは、果たして気持ちいいか?気持ちいい訳なかろうが!本当は気持ちいいけども!
そう自分に言い聞かせながらキスしたい欲求を抑え込み、ジロちゃんの胸を押した。
「終了のお時間です。」
「うぇ〜マジ?まだ5分も経ってないのに。」
「そもそも1分の約束だったでしょうが。5分以上は時間のある時だけ!」
「ん。わかった!」
「おっ、いい子!じゃあ行こうか。」
道端でしたのより長かったおかげか、ジロちゃんもあまりごねる事なく終了した。
陽の当たるところに出てジロちゃんを見てみると、今朝よりも断然顔色が良い。
完全に目覚めてるというか、活気がみなぎってる。
「元気出たね。」
「出た!すっげー絶好調!」
「良かった良かった。」
元気100倍のジロちゃんの笑顔を見て、私もちょっと元気になった。
私は逆に眠くなるから…なんかもうキスする度に生気吸い取られてそうで怖い。リラックスしてるだけとは思うが。
ジロちゃんはテニス部なのでテニスコートへ向かわないといけないのだが、キスしてくれたお礼にと花壇のところまで送ってくれた。
他の人とはキスしておしまいのパターンがほとんどだが、ジロちゃんはキスした後も側に居てくれることが多い。キスフレ以前に親友みたいな存在だからかな!
裏庭へ到着すると、ジロちゃんは笑顔になって言った。
「名前マジありがとね!俺めっちゃ元気ハツラツ!」
「うん、オロナミンCのコマーシャルに出れそうなくらい元気になったね!」
「名前のおかげ!」
「いやいや、それほどでも……よっ」
つま先立ちになって腕を伸ばしたら、すかさすジロちゃんが屈んだ。
私がこの動作をすると必ずといって屈んでくれる。
こういうのパブロフの犬って言うんだよね!
「朝練、頑張って。」
クセのあるふわふわした頭を撫でると、ジロちゃんは気持ちよさそうに目をつむった。
ジロちゃんは頭を撫でられても嫌がらない、むしろ頭を撫でられたい子だ。だから隙があればナデナデしてる気がする。
髪質が最高にふわふわしてるから触り心地いいんだこれが。
「いってらっしゃい!」
「いってきまーす!」
元気よく駆け出したジロちゃんの背中を見送った。
跡部さんとの打ち合い、楽しめたらいいねぇ〜
「さてさて、おまたせ!」
花壇に向かって声をかけながら、私は朝のお世話を開始した。
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わらびもち