同人誌的な展開は同人誌の中でだけ 

……ってな具合や。

あん時は俺も名前のこと甘やかし放題フィーバーやったから、思わず『OK牧場☆』とか調子こいた返事してもうたけど、よくよく考えたらえらいこっちゃで…これ。

今まではホモについて話聞いとっただけやったからええものの、俺自身がやるってなったら話は別やで!?
謙光?謙光!?そんなん無理あるやろ!?

一応、わからん人のために説明するとやな!
『謙光』ってのは、謙也×光のカップリング。つまり俺と財前が仲良うしろって事!
因みにカップリングっていうのは…その、調べてくれ…


謙光言うても、そんな過激な事せぇって訳ちゃう。ただ仲良〜く戯れてんの見せたらええだけやねん。
たったそれだけの事を名前に見せるだけでご褒美なんねん、幸せにできんねん。
ええ風に考えたらめっちゃ安上がりやん!俺の覚悟さえあればな!

ただ俺の覚悟があっても、ひとつ問題が残んねん。
その相手が財前っちゅー事や。

あの子小春とユウジの漫才見て『先輩らきもいっすわ』ってつっこむねんで?
俺の渾身のギャグにも一切笑わへんねん。愛想笑いもしてくれへんねん。ピクリとも表情変えへんねんで?
極め付けに『つまんなすぎて耳が寝てましたわ』とか言うねんで?
もうほんまに先輩やろうが何やろうが容赦ない子やねん。
そんな財前が俺のこの願いを聞いてくれるとでも?

いやなにこれめっちゃ望み薄!!!


教室───
自分の席で思い切りうなだれとったら、前の席で誰か腰落としたんが見えた。


「ケンヤ、昼飯食わんの?」


前に座ったんは白石。
白石が昼飯持ってこっち来たっちゅー事は、もう昼休み入ったんか?
早いな、いつの間に4時限目終わってん…

昼休みってわかった途端、思い出したかのように腹の虫が鳴り出した。
とりあえず弁当食うか。考え事してるとめっちゃ腹減るわ。
机の上に弁当広げとったら、前の席におった白石が不思議そうな顔で言った。


「なんや心ここに在らずって感じやな」

「え〜、そうか〜?」

「せやって。さっきも口ポッカーン開けて……え?ちょっケンヤケンヤ!卵焼きと一緒に葉っぱの仕切り食うてもうてるで!」

「はあ?何いうてウワッほんまや!どうりで噛みちぎられへんと思った!」


緑色の葉っぱの仕切り、正式名称は『バラン』をペッと吐き出した。
なんでこれの名前知ってるかっちゅーと、名前に教えてもろたから。
あいつテストの勉強せぇへんくせに、変な知識は無駄に豊富やねんよな…

また誤って食べやんようにバランを弁当箱の蓋の上に避けとったら、白石が心底心配そうに俺の顔を覗き込んだ。


「なにしとん…大丈夫か?」

「大丈夫や。ちょっと考え事しとってん」

「考え事て…悩みでもあるんか?せやったら話聞くで?」

「いやいや、ほんましょーもない悩みやから、話聞いてもらうまでもないて。」

「そんな水くさい事言いなや。話するだけでもスッキリすると思うで?話してみぃや」

「せやけど……白石、これ聞いて引くんちゃうかなって」

「何言うてん。そんなん話聞かなまずわからんし、並大抵のことでは引かへん。まぁ青学の皆と合宿した時にケンヤが分身した時は流石に引いたけど…いや、ただただうっとうしかっただけや!すごいわ、ある意味才能やで、あんだけうっとうしい思わせれるん!ブラボーや!」

「なぁコテンパンに貶さんといて!?あーもう、話す気失せた!知らん!」

「ごめんごめん…せやけど分身するほど素早いケンヤにはほんま感心やで。俺には到底できんことや。流石浪速のスピードスター!」

「ま、まぁ分身はスピードあってこそやからな!見ててみ、俺は今よりも速くなって分身極めたる!一家に一謙也も夢やないで!」

「うん!でも俺ん家は遠慮しとくわ!」

「えっなんで…?」

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わらびもち

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