同人誌的な展開は同人誌の中でだけ
「ケンヤの覚悟は決まったし、後はどう財前とイチャつくかやな。いっぺん頼んでみるか?」
「そんなん、冷ややかな目向けられていつもの『きもいっすわ』で終いやで…」
「ああ、よう考えたら財前には何のメリットもないもんな。」
なんか微妙に傷付いたけど、白石の言う通りや。
誰が好き好んで男とイチャつきたいっちゅーねん…俺は名前とイチャつけるかもしれんメリットあるけど、財前には可哀想なくらい何もないやん…
これやと不公平や。
「どないしたら…」
「ほな……財前にもメリットなるモン作ったったらええん違う?」
「…おい、おいおい!それめっちゃええやんけ!ギブアンドテイクで行けば見込みあるで!」
「どや、絶頂やろ?」
「いやほんま!えくすたしーな案やわ!おおきにな!」
「ええってええって。さ、問題は何を財前のメリットにするかやけど」
「せやったら、ええ考えあるで!」
───放課後。
「は?普通に嫌ですけど」
部活終わりの帰り際。
例の件を財前に持ち出してみた結果、たちまちフラれてしもた。
せやけど、ここまでは想定済みや!
こないな無理強い、財前が潔くOKするわけあらへん。
せやから俺はこれを用意してきたんや!
「協力してくれたらもれなく、この白玉ぜんざいをプレゼントっちゅーハナシや!」
「いりません」
「ギャフン!」
バッサリ断られてもうた!思わずギャフン言うてもうたー!
なんでや、ぜんざい作戦には結構自信あったのに…!だって財前の大好物やねんで!?
財前にあげるはずやった白玉ぜんざいの缶詰を片手に膝から崩れ落ちとったら、その場に居合わせとった白石が俺の背中をポンっと叩いた。
「ぜんざいで無理やったらもう他ないわ…ケンヤ」
「めっちゃ名案や思たのに…」
「そんなんで釣られるほどアホちゃいますんで。他当たってもらえませんか」
「他ではあかんねん。名前ちゃんは財前とケンヤが仲良うしてるの見たい言うてんねんて」
「なんそれ…てか彼女のためにそこまでやります?謙也さんも嫌々やってるんでしょ」
「それはだって、名前が喜んでくれる思っての事で…」
「はあ、謙也さんの名前さんに対する愛情は深いんですね。でも俺には関係ない事なんでこれで失礼しますわ」
「む、無慈悲…っ!」
スタスタ歩いてってまう財前の背中。
ほんまにこれでええんか、たった一回、いや二回か…二回断られたくらいで諦めてもうて。
いや、まだや。まだ終わってへんで謙也!
ぜんざい一個であかんかったら、数を増やすまでや!
諦めきれんかった俺は、膝ついてた状態からクラウチングスタートで走り出した。
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わらびもち