病名:思春期 

メリーとサリーが居る小屋まで走ってきた足を止めると、私はそのまま膝から崩れ落ちた。
目頭が熱い。涙がボロボロと零れ落ちてくる。

メリーとサリーの顔を見ればこのわけのわからない気持ちも和らぐと思ったのに、どうしてこんなことに。
そもそもなんで泣いてるんだ、私は何を思って泣いてるんだよ…

脳裏にさっきの光景が浮かび上がった。
そのおかげでますます目頭が熱くなっていく。

えっなになに嫉妬?なにゆえ?もう幼なじみでも知り合いでもないのに?どうして嫉妬?
ええ、ええ、知ってますとも、赤也の事が好きだからこんな気持ちになる、そんなのわかりきってましたよ!馬鹿だなぁ!

小屋の前であほみたいに泣いている私に、メリーとサリーが近寄ってきた。
メリーとサリーの顔がぼやけてよく見えなくて、手で涙を拭うけど、何度拭っても視界はぼやけたまま。


「びっくりするよね、ごめんね。もうすぐで止まるから」


言葉とは裏腹に、目から溢れる涙は一向に止まる気配がない。
私はしばらくの間、メリーとサリーの前で泣き続けていた。




これでもかってくらい泣いたあと、携帯していたポケットティッシュでしこたま鼻をかんでいた。

さっきまでアホみたいに溢れていた涙も、今ではからっきし出てこなくなったことが喜ばしい。


「メリーちゃん、顔どう?腫れぼったいかな。」

「メェ」

「ちっきしょ〜明日絶対大仏コースだよ〜」


カバンから取り出したポケットティッシュで鼻をかみながら、メリーに話しかけていた。
メリーは声をかけると返事してくれるんだよね。かわいいやつめ。

サリーは小屋の隅の方でスヤスヤと眠っている。ずっと泣いている私が退屈だったのだろう。

でもたくさん泣いたおかげでいろいろとスッキリした。
赤也にはあの子がいる事だし、これで私も吹っ切れたよ!
もしあの2人がそういう関係じゃなかったとしても、無理矢理こじつけとかないとまた涙腺がね!

それにしてもあの子ってテニス部のマネージャーかな?
まったく、赤也もやるな〜あんな可愛いマネージャーさんがいるとはね!


「さてと、そろそろ帰るか!」


もうすぐで陽が沈んでしまいそうだ。
早く帰らないと昨日買った新作ゲームやる時間なくなっちゃうよ!

私はメリーとサリーに本日2度目の別れを告げ、きた道を戻っていった。




校門に差しかかったところ、偶然にも肩を並べて帰る赤也とあのマネージャーさんの後ろ姿を見かけた。
そんな長い時間メリーとサリーのとこに居座ってたってのか…時間怖…

さっきはあの2人を見て、わけのわからない感情に襲われて散々だったけど、今はなんともない。

むしろ青春する赤也とマネージャーさんを見て心がキュンキュンするくらいだ。
いいねいいね〜、私の乾いた心が潤ってくよ!

青春青春しまくる赤也達を見てニヤニヤしながら、私もいつかこんな風に青春できる日が来るかな☆
などと浮かれつつ、前を歩く2人を追い越していこうとすると


「っ、名前!!」


名前を呼ばれた、赤也に。

-5-

しおり もくじ
ページを飛ばす(5/9)



わらびもち

わらびもち