病名:思春期 

名前を呼ばれて反射的に振り返ってしまったが、私はすぐに笑顔を作った。


「ああ、切原くん。ばいばい」


赤也に手を振って、私は歩き出した。
なんかすごい急に名前呼ばれて焦ったけど、流石にマネージャーさんの前で赤也って呼んだらまずいよね。

我ながら私って空気読める女だよ、なんていうか


「ほんっと今、そういうのやめてほしい」


さっき止まったはずの涙腺が、一気に緩みだした。

せっかくいっぱい泣いて吹っ切れたのに、やっと赤也のこと忘れようとしてたのに、いきなり名前呼んできてわけわかめなんですけどねぇ!!

曲がり角を曲がったところで私は居ても立っても居られず、走り出した。

今日どんだけ走らせんだ感情のヤロー!!




公園のブランコに揺られながら、夕日が沈みきって真っ黒になった夜空を見上げていた。

あーあ、こんなに泣いちゃってさ。
明日絶対エライことになってるだろうよ、完全に奈良の大仏さんフェイスに仕上がってるだろうよ。

それもこれもぜんっっぶ、あのバカ也のせいだ


「あいついっぺん深さ10メートルの落とし穴に落ちないかな」

「おい、それ俺のことじゃねーだろうな」

「えっ」


見上げていた顔を前に向けると、どういうわけか目の前に赤也が立っていた。


「なっ、なん、ぎゃっ!」

「うわっ、おい!」


驚きのあまり立ち上がった私は後ろへ後退してしまった。後ろにはブランコがあるというのに、馬鹿め。

私は無事ブランコに足を引っ掛け、どでんと尻餅をついた。脳しんとう起きたよ。

悲痛の表情でお尻をさすっていると、赤也が笑い出した。


「やべぇ、世界揺れた。」

「隕石かよ!!そもそもアンタが急に話しかけるから……」


すかさずツッコんでしまった口を急いでつぐんだ。まずい、つい昔のクセで…

大変大変、赤の他人にこんな失礼な態度ダメだよね!私ったらいけない子だなぁ!!!

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わらびもち

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