同人誌的な展開は同人誌の中でだけ
「謙也、今日はほんまありがとう!」
「追試合格したご褒美や。ほんまに頑張ったな、お疲れさん」
「へへん!」
公園の遊具で元気いっぱい遊んどる子ども達を横目に歩きながら、どちらからともなく握ってた手にぎゅうっと力を込めた。
「あんな、改めて思ったん。」
「ん?何をや?」
「謙也の彼女でほんまよかったなって!」
いや、それはあかんて。
そんなこと言われたら気持ち抑えれんくなるやつやて、やめて…
俺のドキドキをよそに、名前はふわっと笑いながら小声で言うた。
「これからも私のこと、好きでおってね。」
「…お、おおう」
いやなにこのダサイ反応〜〜
もうちょっとマシな返しあったで!もちろんそのつもりや〜とかかっこよう言えや!
お、おおう、ちゃうっちゅーねん!めっちゃどもっとるやんけ!
いつの間にか俺が受け身になっとったら、名前がなんや寂しそうな感じに笑った。
「今日はもう帰ろか?」
「え?なんでや…」
「いや、謙也なんかそわそわしてるし、この近くにある丸善で同人誌見に行きたいんかと思って」
「それは名前の意思やろ!ちゃうくて、これはその…」
「なに〜もう、私にハグしたくてそわそわしてるんちゃうやろね!」
「………」
「図星!図星なんや!」
まさか言い当ててくるとは思わんかってん。
ああもう、顔あっつ!かっこ悪うてしゃあないな!
顔見られへんように腕で口元隠しとったら、名前が両腕を広げた。
「いいよ、ハグしよ!」
「は!?でも、こんな人前やのに…」
「ハグするだけやよ!なにも真昼間の公園でディープなキスするわけじゃ」
「や、やめっそういう過激な表現は!そういうんは漫画の世界だけやからな!?」
「漫画でもやれへんわ!さ、こっちおいで!」
両手を広げたままの名前がにこっと微笑んだ。
こんままキスしてまいたいくらいや……せやけど、人前で抱きしめるんて、結構勇気いるくない?
腕広げたりやめたりを繰り返してめっちゃ迷っとったら、ずっと両手広げとった名前の腕が下がってきた。
「謙也〜腕疲れてきてもうてんけど〜」
「す、すまん!よっしゃ、いくで!いくで…………ぐ、やっぱりあかん!でけへん!」
俺が一歩引くと、名前は上げとった両腕を下ろしながら笑った。
「そういうヘタレなところも好きやで。」
「へっ、ヘタレとるんちゃうわ!ハグだけで我慢できる気せぇへんかったし」
「そうなん?」
「…えっ、うん?」
ヘタレや言われて、ついつい強がって言ってもうた言葉を頭ん中で巻き戻した。
ハグだけで我慢できる気せぇへんかったからって言うたよな、俺。
嘘やろ、言ってもうたん!?え!?本音をそのまんま!?
どんだけ口もろいねん俺!
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わらびもち