双極
09
ドクタケ城はある悩みに頭を抱えていた。
「こんなにワシが頑張っているというのに、水軍の設立は滞るし、悪巧みは邪魔が入る…!こんなに頑張っとるというのに!!」
ドクタケ城城主である木野小次郎竹高の機嫌が悪いのだ。戦を仕掛けるものの中々上手くいかないストレスが溜まったのであろう、その愚痴を聞いた稗田八方斎はドクタケ城の忍を招集し、会合を開いた。
「殿はワシがいくら褒めても気が静まらないのだ…はてさて、どうしたものか…」
「そういえば忍術学園になんでも誉めてしまう激甘事務員が入ったとか…」
「それだ」
八方斎は天にも縋る勢いでその案に乗った。
「と、言うわけで…」
「はぁ…。忍者も大変ですね。おつかれさまです」
あ、優しいこの子。ドクタケ軍の忍たちは捕まった状態で自分たちのことを労わる彼女に心を緩ませた。
「でも私、明後日には学園に帰らないといけないんです」
「それは安心しろ。1週間ほど帰れないという手紙を君に代わって出しておいた。君の両親には早めに忍術学園に帰ることになったと伝えてある」
「わ、私の有給…」
有給が勝手に消化されていく事実に少なからずショックを受ける。しかし、囚われの身。拒否権もなく、しかも自分に成り代わって手紙を出したのだから忍術学園も怪しまないだろう。誰も私が誘拐されたとは思いもしない。それならば早く要求を成し遂げて解放してもらう道しかないと思った。
「お前の居場所は…ドクタケ忍術教室の長屋が空いているな。そこにしよう」
囚人部屋ではないようだった。しかし、必ず付き人を使わしたため逃げる事は難しそうだ。
「あ、僕は魔界之小路です。すみません、申し訳ないことに貴方が過ごす部屋に通販で間違えて届いた小豆の箱が溢れてるんです。狭いかもしれませんが許してください」
小豆。その単語に名前の目が輝いた。
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