双極
08
「手伝ってくれて本当にありがとう。学園長への粗品もお願いしちゃって悪いわね〜」
「お駄賃に加えて私たちにまでこんな和菓子までいただいてしまっていいんですか」
「大切に食べまーす!!」
今日のアルバイトは終わった。学園長への和菓子に加えて手土産にたくさんの和菓子をいただいた。しんべえは休憩時間に食べたこの和菓子の美味しさが蘇り、帰り際に我慢できずに食べ出さないか心配だった。
「私も休暇が終わったら学園に戻ります。皆さん帰り道お気をつけてくださいね」
集中していたからなのか、頬にあんこがついていることに気づかずに表に出てきた名前。指摘されると恥ずかしそうに布で拭う。数日、学園には名前がいないと思うと少しばかり寂しいと思うのは自分だけだろうかときり丸は、帰る途中に振り返ったら自分達が見えなくなるまで手を振っていた彼女を思い返す。
「そういえば、名前さんの名が巷に広まってるらしいよ」
「え、何で?」
「あの人への甘さがいいんだって。何だっけ…華奢の術?…芸者の術…?」
「名前さん家の和菓子ももっと広まってもいいと思う!!」
「「確かに」」
正解は喜車の術なのだが、結局のところ正解は出てくることはなかった。は組の良い子たちは歌を歌いながら呑気に帰っていく。
その姿を草の茂みから見ていた者に気づかずに。
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