双極

02


いつからだろう。いや、多分生まれた時からの性分だと思ってる。私は人に対して甘すぎるとよく言われている。

実家が和菓子屋だったからだろうか。

自分では自覚がないのだが、なんとも、親まで頭を悩ますほど、私は甘いらしい。
忍術学園で己を律し忍ぶ忍者に、人への律し方、己の律し方とは何か、彼らと環境を共にすることで何か変わるかもしれない。というのと、良い歳だし、実家に頼らず仕事をしたいという私の思いもあって、和菓子を贔屓してくださってた学園長にこの学園で働かせて欲しいと申し出たのだ。

運良く採用となった私は楽しい日々を過ごしている。己を律するとは何か彼らを見るとなんとなく感じるものがあり、以前よりはマシになったと自負している。

「小松田さんの尻拭いまで…すまないね、名前さん」

「そんな、刺激的で楽しいです。小松田さんってすごいんですよ。不法侵入した方をバッと捕まえて、私もできるようになりたいです。憧れの先輩です」

お世辞でも、胡麻を擦っているわけでもないのだ。キラキラと目を輝かせ、彼女は本心でそう言っているものだから吉野作造は苦笑いを浮かべる。
小松田くんも、名前さんも人はいいのだが、少しずれている。

「入門表にサインを〜」

小松田さんと門番と掃除を兼ねてしていた時、ある青年が門前に訪れた。見かけない顔がいると知ると小松田さんに尋ねる。

「彼女は僕の後輩の…おーい、こっちおいで〜」

「君に後輩が…。彼女も大変だろうに」

ミスの連発に思い悩まされていると想像できる、不憫な彼女は彼に呼ばれて、箒を持ったまま小走りで駆け寄った。

「辛かったら、いくらでも先生方に相談した方がいいと思いますよ」

「いえ〜、何も不自由なく働かせてもらってますので…それに小松田さんは憧れの先輩です」

「えへへ、照れちゃうね」

「そうですね。本人を目の前にしていうと、照れちゃいますね」

利吉は空いた口が塞がらない。のほほんという雰囲気を醸し出す二人。何が起きたのか理解ができなかった。

「トラブルがあっても刺激的で楽しいです。小松田さんは事務仕事は苦手かもしれませんが、尊敬できるところも沢山あります」

ニコニコとそう言う彼女。吉野先生の頭を悩まし続ける小松田さんをそのように評価するとは、ふと、思いがけない言葉の連続で、利吉は本音が溢れた。

「甘すぎじゃないか?」

ポカンとする名前。なにかおかしなことを言っただろうか。変な間に自分が言った言葉を疑う。

「どこかでお会いしましたっけ…?」

「はい?」

自分の記憶をたどっても会ったことはないはすだ。質問に対してこちらも疑問系で返した。

「私の名は尼杉あますぎ名前です」

ズコーっと効果音をつけてひっくり返る。小松田くんと名前さんは二人して頭上にはてなマークを浮かべている。
呑気な性格の人は苦手だとこの二人を見て再認識した。彼女も利吉にとって苦手な部類の人間であった。

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