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愛していた、そうだ。他人の評価などどうでもいいほど、こいつと幸せに向かっていきたかった。呆れるほど馬鹿な話をして、くだらないことで笑い合って。いつかそばにいるならこいつしかいないと思いあえるほどに、俺たちは親友だったのだ。
恋なんかじゃない。そんな安っぽい言葉じゃ決めつけられない。ただ、そばにいるのに理由がいるのなら、お前がいないと幸せにはなれないから。


1998年。


『かわいそうに、まだ若いのに』
『虐められてたんですって!』
『こんなひどいこと、どうしてできるのかしら』
『それだけじゃないでしょう、暴行も加えられたとか聞いたわよ』
『何人もの人にリンチされたとか』
『犯人は女の子なんだろ?怖いな』

『で、本当に何も知らなかったのかい?』
『は、はい・・・・・・』
潤んだ瞳に上目遣い。数トーン高く甘ったるい猫撫で声が、どうしようもなく癪に触った。
知らないわけないだろう?
だって、お前じゃないか。

男漁りの途中であいつに目をつけたのも。
クラスで虐めをしていたのも。
ペルラの施設に猥褻物やカッターを送り付けたのも。
バイト先で有る事無い事吹き込んで辞めさせたのも。
クソみたいな趣味の男にあいつを強姦させようとしたのも。
取り巻きの不良どもにリンチさせてあいつの顔を焼いたのも。
あいつから、一番大切なものを奪おうとしたのも。
あいつに「僕は生きていてはいけない」なんて思わせたのも。

『あのね、僕は』
『人を、殺してしまうかもしれないんだ』

あいつに、どうしようもない記憶を思い出させたのも。
全部、お前のせいなのに。

『ありがとぉ、お陰で邪魔な男は消えたわ!』
『真一郎くんたちにはうまく誤魔化しておくから!貴方たちがやったなんて言わせないわ!』
『ふふふ、えぇ〜?いいのよ!だって私、ヒロインなんだもの!私が自殺を手引きしたなんて誰にもわかんないわ!』

幸せになれ、なんていうなよ。
お前を失って、俺が幸せになれるわけないのに。