向日
向日夢
今では凄く後悔している。
そりゃあ、昔はあの髪型が1番きてた。
私の中でだけだけど。
だから、当時11才だったがっくんを「おおはやりの髪型だよ?ナイスな髪型なんだよ?」とか何とか適当な事を言って彼をVカットのおかっぱにした。
それはもう可愛いのなんのって。
「妹にならない?」
って言ったら「おれは男だ!」とかえされた。
最もだ。
それから月日は過ぎて行き、当時高校3年生だった私は夢を追いかけ美容専門学校に通う事にした。
家を追い出され、寮生活を余儀なくされていた私は夏休みと冬休みの年2回しか実家に帰らない。
当然、がっくんがどうなったかなんて知りもしないのだ。
と言うより、忘れていた。と言った方が正しい。
そして、久々に実家に帰り辺りを散歩していると、ひときわ元気に飛び跳ねている男の子の姿。
ああ、そう言えばがっくんもよくぴょんぴょん飛び跳ねていたなぁ…。なんて考えていると、その男の子は「おーい、名前姉ちゃーん」なんて言ってこっちに走ってきた。
…ん?あれ?
もしかしなくても、あの男の子はがっくん?
そこには私の若き日の過ちヘアーのがっくんが…。
日々変化し続けるファッション業界。ヘアー業界もまた然り。
そんな中相変わらずおかっぱのがっくん。
ああ、ごめんがっくん。
本当にごめん!
カットした当時も流行ってなかったけど、今も大して流行ってないんだ。
その髪型。
とりあえず、なんて言って彼に謝ろう…。