ハグしたいお年頃

ハグしたいお年頃
日吉夢



細くて長い、私とは少し違う筋張った指。
大きくて豆のたくさんあるその手を握るとき、私はいつもドキリとする。

友達からそのまま付き合うようになった形の私達だから、普段はあまり男だとか女だとか気にしないけど、広い肩幅とか時々握る大きな手とか、最近出てきた喉仏とか、ふとした時に気付く私と若の男女の差にドキリとしてちょっと寂しい気持ちになる。

彼の体は確実に男性へと成長を始め、私の体もまた女性へと変化していく。

大好きな大好きな若。

幼なじみで恋人の若。

昔よりも少し、遠い若。

お願い置いて行かないで。

そう素直に言えれば良いのだけれど、私は酷く口下手で感情表現があまり上手ではない。

それは若も同じで、そのせいか最近益々距離を感じるようになった。

だからと言って、他の恋人達がするようなハグなんて、恥ずかしくてなかなか出来やしない。

本当は手を繋ぐのだって恥ずかしくてたまらない。
でも、それが唯一私達が出来る恋人らしいことなのだ。

繋いだ部分から伝わる若の少し高い体温を感じながら、少し前を歩く彼の後ろ姿に好きだよと呟いてみた。

やっぱり恥ずかしくて直接は言えないけど、何度も何度も心の中で呟いて、どうにかこの私の気持ちが若に伝わればいいと、繋いだ手に少し力を込めた。

すると、若も力を入れてくれた。

俺もお前が好きだ。
そう言われたような気がして凄く嬉しい。

甘え下手な私達はそうして心をつなぎ止める。

好き好き大好き。


嗚呼、この気持ちを伝えるには手だけじゃ足りないよ。

いつか、ハグも出来るようになればいいと思った。







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うぇるかむ