27

27

ワノ国を出るときに港になんだか人が多いなと思っていたら、どうやらイゾウのお見送りだったらしく、結構どころかかなり有名じゃないかと驚いた。
説得は上手くいったのかと聞けば、笑顔で返事が返ってきたので、ちゃんとお別れも済ませてきたのだろう。
イゾウが家族になって数ヶ月、ワノ国を出てからいくつかの島を渡った。
なんだか最近、島に下りるたびに視線を感じるようになった。言われた通りフードをかぶって髪の毛が見えないようにしてるし、島に下りるときは常に隊長各の誰かと手を繋いでいるので、拐われる心配もないだろうし、何かしてこようという感じはしないので気にせずにいることにしている。
そう言えば、私に部屋が与えられた。どうやらナースさんたちに、いくら家族でも女の子なんだから、ちゃんと女の子としてのプライベート空間を作らなきゃダメ。夜寝るときも男ばかりに囲まれて眠るなんて可哀想だと怒られたらしい。マルコ隊長がワノ国で沢山買い込んでいたのは私の部屋に置く布団や机で、私が故郷のワノ国を思い出して淋しくならないようにとわざわざワノ国で一揃え買ってくれたようだ。
しかし、その部屋もあまり役にたっているとは言い難く、昼間は船の上で皆の手伝いをし、夜眠るときは、一応部屋で眠るものの、どうしても他の温もりがないのが落ち着かなくて、夜中に寝ぼけてこっそりパパや他の部屋が近い隊長達のベッドに潜り込んで朝を迎えているなんてことがざらではなく、 一応頑張って一人寝に挑戦するが、朝起きれば誰かと一緒に朝を迎えているため、もう一人寝は諦めてしまっている。今では隊長達の部屋をその日毎にローテーションでまわって一緒に眠っている。
妙な癖が出来てしまったものだと頭を抱えるしかない。
そんなある日、船が敵に襲われた。
危ないから部屋に隠れているように言われて部屋に籠って隠れれていたのだが、どうやらなかなか引かない敵に苦戦しているらしく、甲板がどたばたとずっと騒がしい。
「白い髪の女の子が〜」
とか
「小さい女の子を〜」
とか
「シロさんを〜」
とか、途切れ途切れにそんな声聞こえるので、どうやら船を襲ってきた人達は私を探しているらしいと気づいた。
私の事をシロと呼ぶのはドフラミンゴさんだけなので、ドフラミンゴさんが来ているのかと思っての気配を探るがドフラミンゴさんの気配はモビーにはなかった。きっとドフラミンゴさんの部下とか知り合いの人なんだろう。
私が姿を現して解決するならと部屋を抜け出して甲板に出れば、海の潮の香りに混ざって血の臭いが鼻についた。
思わず襲ってきた気持ち悪さと目眩にその場にしゃがみこめば、「……いた!」という呟きと共に抱えあげられた。
誰だろうと思い私を抱えあげる人の顔を見てみるが、見覚えのない人だったので、多分ドフラミンゴさんの部下の人だろう。
「撤収!撤収だ!」
その人は私を抱えたままくるりと向きを変えると、船の縁に向かって走りだした。
遠くで、サッチが私の名前を呼ぶ声が聞こえた。その声に改めてまわりを見渡すと、パパやマルコ隊長やジョズの腕に手錠がかけられていた。実物を見たことはないので確信は持てないが、手錠をかけられたパパ達がなんだかだるそうにしているので、あれは海楼石の手錠だろう。能力者対策はばっちりというわけだ。
「待ってろ!今助けに行く!」
こちらの様子に気づいたハルタが走って来るが、間にドフラミンゴさんの部下が割り込みハルタの邪魔してなかなか近づけない。
そうこうしているうちに、私を抱えた男の人は船の縁にたどり着き足をかけたとき、大量の水がザバザバと流れ落ちる音が聞こえた。
振り替えればルルさんがいて、驚いた男の人は足を滑らせた拍子に抱えていた私を放り投げた。
このままだと海に落ちるなと思っていると、ルルさんの口が大きく開き、ぱくりと口の中に納められてしまった。


- 27 -
*前次#
ページ:
うぇるかむ