「でもさ、何で今なんだ?」 「アァ?何がだよ」 「靖友ってロードに関してはけっこうストイックだろ?それならインハイ終わるまで彼女と離れてそうなのに、何でこのタイミングでお披露目なのかと思って」 「………」 夕食のカキフライを頬張りながら質問を振ってきた新開にゲンナリする。その隣で同じくカキフライを頬張りながらウンウンと頷いている東堂にもだ。 靖友の隣でやはり黙々とカキフライを頬張っている福富は、まぁ、イイ。 それにしても、お披露目ってなんだ、お披露目って。ただ単に一緒に昼飯食いに食堂に行っただけだろう。それなのにまだこの話題を引っ張るのか。お前ら恋バナ好きの女子か。それとも俺にカノジョがいたのがそんなに意外だったのか。確かに恋愛に縁の無さそうな顔と性格なのは自覚済みではあるが。 (つーか、後ろの2年、耳ダンボにしてンのがニオイで丸分かりナンだヨ!) 靖友は残りの白飯を漬物と一緒に掻き込むと乱暴に箸を置いた。次いで湯呑みに残っていたほうじ茶を一気に飲み干すと、これもまた乱暴にトレーに置く。 「……インハイのメンバーに決まったからだヨ」 「………」 「…だから!インハイのメンバーに決まったら、目標はインハイ1本だろ!最初で最後の大舞台なンだ、惚れたオンナに見て貰いてーって思うだろ、フツー」 「………」 新開と東堂の目がガチでこっちを見ている。靖友が答えるとは思っていなかったのだろう。隣の福富からの視線も地味にイタイ。 本当に、何故こんなコッパズカシイ話を寮の食堂でしなければならないのか。しかし、答えるまで延々とこの手の話題は付きまとうだろうし、そもそも上手くスルーできる話術などというものは靖友は持ち合わせていなかった。 「……靖友、おめさん、マジで男前だな」 「ッセ!」 「いや、本当に。イケメンだな、顔はともかく」 「ッゼ!」 「うざくはないな!」 「イヤ、マジでウゼーからお前ら!」 (おー、って声あげてる後ろの2年もマジウゼーから!) 部活に青春を捧げているように見える彼らも、結局のところ、ただの好奇心旺盛な高校生男子なのであった。 |