そばにいるよ #07


クリスマスは外泊許可を取って自宅通学の友達の家でパジャマパーティーを楽しんだ。枕を並べてする恋バナは思ったより盛り上がってしまい、靖友が聞いたらドン引きしかねないようなネタまで飛び出して、律は頭を抱えて撃沈してしまった。

正月は靖友の妹達に誘われて初詣に行った。今回のことで妹達から見た靖友の株は大暴落のようで、靖兄なんか追い出してやるから!などと口々に言っていた。しかし別れ際になると、あのバカ兄貴には律ちゃんしかいないから、お願い別れないであげて!と言われてしまって、なんだかんだ言っても、靖くんて家族に愛されてるよね。と思うと、やっぱり気持ちがホッコリ暖かくなる。

正月太りした!と泣きついてきた友達に付き合って、早朝ジョギングを始めるも、無理!と泣きついてきた友達により一週間も経たずに終了してしまった事件もあった。そのあとその友達はダイエットジプシーだかダイエット難民だかになってしまって、未だに成果をあげられずにいるらしい。

バレンタインは…、バレンタインのチョコは、今年も渡せずに自分の胃袋に収まってしまった。

期末テストは無難な点数を取れて解放された。
そういえば靖友はどこでテスト前の勉強をしているのだろう。律はいつもテスト前は友人達と図書室にこもるのだが、彼女は靖友の姿を図書室で見たことがない。1年の時あんなにサボっていたのにちゃんと2年に進級できたのだから心配することもないのだろうけど、ちょっと気になる。

春休みは短いので帰省せず、寮でダラダラと過ごしているうちに無駄に終わってしまった。

そして、箱根学園に入学して三度目の春がきた。
最終学年のこの年も、靖友と同じクラスにはなれなかった。神様はつくづく自分に試練を与えたいらしい。

教室の窓から外周に走り出す空色のバイクをぼんやりと眺める。嘆息する彼女に注がれる友人達の視線は今日も生温かった。


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