ちっとも美味しくなさそうな団子みたいだった。ぐちゃぐちゃに丸まったチェーンは、あちらを解けばこちらが絡み、こちらを解けばあちらが絡む。そんなに高いものではなかったし、もう諦めてしまおうか。昨日まではネックレスだったはずの何かを手のひらに載せ、しかめっ面で眺めていると、背後からフフッと噴き出すような笑い声が聞こえてきた。
「……なに笑ってんの」
「いーや、お疲れ様」
くつくつと肩を震わせながらこちらへ近付いてきた傑は、「貸して」と囁くように言うと複雑に絡み合ったチェーンを優しく奪い取っていく。私の二倍はあるんじゃないかという大きな手、太い指が、私のこれまでの奮闘を嘲笑うかのようにするすると鎖の塊を解いてゆく。いつになく真剣な眼差しは指先にじいと注がれていて、私がちらりとそちらを見上げたことにも気付きやしない。
「……はい、できた」
そんな声にぱっと視線を戻すと、傑の右手の指先から左手の指先まで、ねじれひとつないチェーンが伸びている。ありがとう、と言って受け取る前に傑の手がこちらに伸びてきて、何事かと驚いているうちに、まるで何かの儀式みたいにネックレスを首に巻かれた。首の後ろからカチ、と聞き慣れた音がする。
「やっぱり似合ってるね、これ」
いつもなら冷たい金属の感触がするはずの首筋を傑の指が掠めて、小さな石のついた飾りを浚う。深い深い青色は、いつだったか傑が似合うと言ってくれた色で、だから私はこのネックレスを買って。初めて着けたその日に、傑はまた褒めてくれた。
そんな、なんてことはないやりとりを大事に大事に抱えているのは私だけだと思っていたのに。
「どうしたの?」
「……なんでもない、ありがと」
ふてくされたように、ふいと視線を逸らす私を傑は不思議そうに見下ろしていた。
Fin.