いきなりのことだったから、正直よくわかってない。
「あ、ツッキー!安住さんなんだったの?」
呼び出されて梨都に言われたことは要約すると、
「別れた」
たぶん、そういうことなんだと思う。
「そうなんだー…は?!」
こうなったのも、僕が梨都の優しさに甘え続けた代償なんだろう。
何が悪かったとか、わからないわけでもない。部活があるから一緒に帰ることなんてほとんどなかったし、デートなんてしたこともない。それでも梨都のことは好きだったし、別れるなんて考えたこともなかった。
「え、なんで?ケンカしたの?」
「してない」
「じゃなんで」
「そんなの僕が知りたいよ」
理由も教えてもらえなかった。
もし構って欲しいとか言われたら、時間なんていくらでも作るし、どっか行きたいなら、常識の範囲だけどどこにだって連れていきたい。
だけど梨都はなにも言わなかった。ただ「別れよう」としか言わなかった。地面ばかりみて目も合わなかったから、真意なんてまるでわからない。
「安住さんから言われたの?」
「うん」
「引き止めなかったの?」
あんな泣きそうな声されたら、そんなことできなかった。
「うん」
でも、引き止めたらなにか変わったんだろうか。例えば別れなくてすんだかもしれない。例えば、ケンカでもなんでもして理由くらいはわかったかもしれない。
どれももう確かめる術はないけど。
たぶん、君が思ってるより僕は君の事が好きだよ。
PREV /
LIST /
NEXT