言質を取ります

ほんの僅かな期待を胸に挑んだ身体測定は、全体的に平均より低かった。
わかってたことだけど、もうちょっとなんとかしたい。肺活量なんてうまく計測できなくて、もう1回計測してもらったもん。前より良くなってはいるけど、それでもまだ全然弱い。


「余った時間どうするんだろうね」


身体測定に割り当てられた時間は思っていたよりも長かったらしい。そんなに急いだつもりはなかったけど、時間は多くはないけど少なくない程度に残ってる。


「みんなその辺で喋ってるんじゃないかな」
「そっか」


よく見ると、校庭の陰で話してる人がちらほらいる。


「あの辺行こうか」
「うん」


芽衣子ちゃんと一緒に日陰に逃げ込んでのんびりお話タイム。


「千明ちゃん部活なんだっけ?」
「まだ決めてないけど、写真部にしようかなって思ってる」
「凄く似合う…」
「そうかな?」
「部活の写真とか撮りに来る?」
「うん、たぶん」


どんな活動するのかわからないけど、たぶん運動部の写真を取ることくらいあるだろう。
…もしもなかったらどうしよう。


「じゃあ!ウチも撮りに来て!」
「わかった」


バスケ部ってことは、体育館だよね。バレー部と同じなのかな?
行っても怒られないかな?部活だから大丈夫だよね、別に邪魔しに行く訳じゃないもん。


「スタメンにはすぐなれないと思うけど、私頑張るねっ」
「私も早くうまく撮れるようになるね」
「えへへ、楽しみだなぁ」


ふわりと、花が咲くような笑顔がとっても素敵。きっとファンができるタイプの人なんだろうなと思う。もしかしたらもういるのかな?こんな素敵な人と友達になれて、私は幸せ者だ。


「芽衣子ちゃん、私も頑張るね」


私も芽衣子ちゃんみたいになれるかな。


「千明ちゃんは頑張らなくても充分だと思うけど、私でよければ力になるからね」
「ありがとう」


違うな、私は芽衣子ちゃんみたいな、丈夫で優しくてかわいい素敵な人になりたい。その1歩を、私は今年こそ踏み出すって決めた。

そのためには不安に思ってるだけじゃダメ。私からも動かなくちゃ。


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