お昼休み

後輩には部活の時渡すとして、3年はあと1人。私のクラスからは微妙に遠い所に行かないといけない。

お昼ご飯を食べた後、お届けに向かってあげるとか私優しくない?
どうせ部活の時に会うんだろうけど、来ない可能性もあるからね。まだ受験終わってない人もいるかもしれないしね。

「おーい、猿杙さーん!」
「んー?柏手じゃん」

猿杙は私が覗きこんだドアの近くにいたからすぐに見つかった。お昼を終えたのか、バスケ部の男子とたぶんテニス部の男子と話してたらしい。

「邪魔してごめん」

男子は別に構わないって感じの返事をくれたので、そのまま猿杙とお話することにした。
優しいのね、でもチョコはないよ。

「なに?どうかした?」
「いやいや、どうかしたってゆーか、忘れてる?」
「なにを?」
「今日がなんの日か」
「あー…」

私のあからさまな聞き方に男子2人はすぐにわかったらしいけど、猿杙はすっかり忘れてたらしい。間延びした返事に容赦なく男子の突っ込みが入る。

忘れるって、嘘でしょ?まさか1個ももらってないってことはないよね?だってコアなファンがいるんだよ?
え、みんなあげられないくらいひっそりこっそり応援し隊なの?

「いや、覚えてたけど、まさか今年ももらえると思ってなかったからさ」
「2年続けたらもう1年もやりますよ。やらないとなんか気持ち悪いじゃん?」
「そんなもん?」
「あと木兎と小見がうるさかった」
「あー、そう言えばそうだったね」

実は結構猿杙のことは好きだったりする。おばあちゃんと話してるようで、なんとなく安心するんだよね。縁側でお茶飲みながら話してる感覚。
ゆっきーに言ったら納得されて、かおりんに呆れられたのは実はかなり前のこと。

「猿杙にもちゃんとありますよー」
「おー!」

感嘆符こそあるけど、テンションはそんなに高く聞こえない。
これだよ!私が猿杙の好きなとこ!

「これ、木兎達よりちょっとグレード高いからナイショね」
「マジで?ありがとう」
「いいえー」

猿杙にあげて2人になにもないのも可哀想だったから、飴ちゃんあげといた。そしたら思った以上に喜ばれてびっくりした。後でバレー部きたらクッキー食べれるよって教えてあげようかと思うくらいの喜びようだった。
なんなの?この2人はもらえなかったの?

「じゃあ帰るね」
「うん、これありがとう」
「どういたしましてー」

さーて、あとは放課後!

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