天童
「ねーねー、ちょっとくらいいーじゃん!」
「ご遠慮致します」
「もー堅いなー」
出会いは入学式。校内で迷子になってた鳴子ちゃんを案内したのが最初だった。
「鳴子ちゃんクラスどこー?」
チョー方向音痴みたいで、入学式の後も見かけては道案内してあげてる。
「教えません」
「クラスくらいいーでしょ」
「教えたら絶対いらっしゃいますよね」
「もっちろん!」
「余計教えられません」
もうわかってるとは思うけど、今年入ってきた新入生ちゃんでね、これがめっちゃかわいーの!大和撫子って感じ?イイよねー。
「ねーえー!」
「退治させますよ」
「誰に?」
「兄です」
「へー!鳴子ちゃんお兄さんいるんだ。俺ご挨拶したいなー」
「どうぞご勝手に」
「お兄さんのクラスは?」
「3-3です」
「ふーん」
若利くんと同じか。鳴子ちゃんに似てる人いたかな?性別が違ったらそんな似てないか。
「お兄さんって身長高い?」
「平均より高いですね」
「ケンカとかする?」
「兄とケンカをしたことはないです。兄が誰かと揉めているのも見たことがないです」
「へー!優しい?」
「優しいですよ。この間トイレの電球を付け替えてくれました」
「いーお兄さんダネ!」
「そうですね」
いざとなったらお兄さんは丸め込んで鳴子ちゃんをもらおう。そんな結婚とかわかんないけど、今鳴子ちゃんがほしいんだもんね。
「どこ行くのー?」
「教えません」
「俺が優しく道のり教えてあげるよ?」
「結構です」
最近は校内を覚えてきたのか、俺がどこに行くのか聞いても教えてくれなくなった。
いつもひとりでいるから心配して声かけてあげてるのにヒドイよねー。まぁ教えてくれなくても着いていくけど。
「…アレ?」
鳴子ちゃんにくっついて歩いていて気付いた。
これ3年の教室、しかも…
「お兄さんのクラス行くの?」
「そうです。母から言伝てがあるので」
「へー」
ついでにお兄さん見ておこう。で、更にそのついでに挨拶もしよう。
鳴子ちゃんと一緒にクラスを覗くと、若利くんはいつもの仏頂面で座ってる。俺が貸した漫画も学校で読めば良いのに。今度言ってあげよう。
「すみません、兄に用事があるのですが」
鳴子ちゃんがそう言った瞬間、若利くんがものすごい勢いで振り返った。
ビックリした。ホントビックリした。なんなの?若利くんもビックリしたの?それとも鳴子ちゃんの知り合い?
え?わかと、え?
「どうした」
「GW帰るので、必要なものがあるなら私が持ってきます。なので事前に連絡するようにと母からの言伝てです」
「わかった」
「えーーーーーーーーー!!」
ウッソ!ホントに?!
「天童はなにか用事があったのか?」
マジで兄妹!?全然似てない!
「この人いつもついてきて困ってるんです」
「嫁入り前の娘について回るのは良くないと思うが」
若利くんの妹って、言われればなんとなく雰囲気似てるかなーとは思うけど、言われなきゃわかんないよ。
「迷惑だと言っても聞いてくれないので兄さんが退治してください」
「む…」
「チョット若利くん!迷わないで!」
「退治するのは春高が終わってからで構わないか?」
「待てません」
「そういう問題じゃないからネ!退治しないで!」
若利くんはバレーができれば何でもいいんだね!わかってたよ!
「若利くん!鳴子ちゃんをボクにください!」
「…………」
「悩まないでくれる?!チームメイトでしょ!」
「バレー部だったんですね」
「そうだよ」
「…鳴子、」
「大丈夫、この人だけはない」
「ヒドイ!」
「ならいい」
「良くないから!」
でも若利くんの妹か…それならゆっくり詰めていってからでもいいかなー。こーんな面白いコそう簡単に手放せないしネン!
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「ねーねー、ちょっとくらいいーじゃん!」
「ご遠慮致します」
「もー堅いなー」
出会いは入学式。校内で迷子になってた鳴子ちゃんを案内したのが最初だった。
「鳴子ちゃんクラスどこー?」
チョー方向音痴みたいで、入学式の後も見かけては道案内してあげてる。
「教えません」
「クラスくらいいーでしょ」
「教えたら絶対いらっしゃいますよね」
「もっちろん!」
「余計教えられません」
もうわかってるとは思うけど、今年入ってきた新入生ちゃんでね、これがめっちゃかわいーの!大和撫子って感じ?イイよねー。
「ねーえー!」
「退治させますよ」
「誰に?」
「兄です」
「へー!鳴子ちゃんお兄さんいるんだ。俺ご挨拶したいなー」
「どうぞご勝手に」
「お兄さんのクラスは?」
「3-3です」
「ふーん」
若利くんと同じか。鳴子ちゃんに似てる人いたかな?性別が違ったらそんな似てないか。
「お兄さんって身長高い?」
「平均より高いですね」
「ケンカとかする?」
「兄とケンカをしたことはないです。兄が誰かと揉めているのも見たことがないです」
「へー!優しい?」
「優しいですよ。この間トイレの電球を付け替えてくれました」
「いーお兄さんダネ!」
「そうですね」
いざとなったらお兄さんは丸め込んで鳴子ちゃんをもらおう。そんな結婚とかわかんないけど、今鳴子ちゃんがほしいんだもんね。
「どこ行くのー?」
「教えません」
「俺が優しく道のり教えてあげるよ?」
「結構です」
最近は校内を覚えてきたのか、俺がどこに行くのか聞いても教えてくれなくなった。
いつもひとりでいるから心配して声かけてあげてるのにヒドイよねー。まぁ教えてくれなくても着いていくけど。
「…アレ?」
鳴子ちゃんにくっついて歩いていて気付いた。
これ3年の教室、しかも…
「お兄さんのクラス行くの?」
「そうです。母から言伝てがあるので」
「へー」
ついでにお兄さん見ておこう。で、更にそのついでに挨拶もしよう。
鳴子ちゃんと一緒にクラスを覗くと、若利くんはいつもの仏頂面で座ってる。俺が貸した漫画も学校で読めば良いのに。今度言ってあげよう。
「すみません、兄に用事があるのですが」
鳴子ちゃんがそう言った瞬間、若利くんがものすごい勢いで振り返った。
ビックリした。ホントビックリした。なんなの?若利くんもビックリしたの?それとも鳴子ちゃんの知り合い?
え?わかと、え?
「どうした」
「GW帰るので、必要なものがあるなら私が持ってきます。なので事前に連絡するようにと母からの言伝てです」
「わかった」
「えーーーーーーーーー!!」
ウッソ!ホントに?!
「天童はなにか用事があったのか?」
マジで兄妹!?全然似てない!
「この人いつもついてきて困ってるんです」
「嫁入り前の娘について回るのは良くないと思うが」
若利くんの妹って、言われればなんとなく雰囲気似てるかなーとは思うけど、言われなきゃわかんないよ。
「迷惑だと言っても聞いてくれないので兄さんが退治してください」
「む…」
「チョット若利くん!迷わないで!」
「退治するのは春高が終わってからで構わないか?」
「待てません」
「そういう問題じゃないからネ!退治しないで!」
若利くんはバレーができれば何でもいいんだね!わかってたよ!
「若利くん!鳴子ちゃんをボクにください!」
「…………」
「悩まないでくれる?!チームメイトでしょ!」
「バレー部だったんですね」
「そうだよ」
「…鳴子、」
「大丈夫、この人だけはない」
「ヒドイ!」
「ならいい」
「良くないから!」
でも若利くんの妹か…それならゆっくり詰めていってからでもいいかなー。こーんな面白いコそう簡単に手放せないしネン!