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「あれ名前は?」
「母さんと話してるんじゃない?」
「あ〜捕まってそう」
二階に行きスマホをいじるトド松は最後に入ってきたチョロ松に聞く。「名前うちの母さんにホント好かれてるよね〜」と目線をスマホに向けたまま呟く。
「………ていうかさ、名前ってカースト上位な存在だよね、イヤ、カーストトップかな」
「え?」
「嫌だってさ、名前って家金持ちだし、親医者と看護師だし、顔良いし、優しいし、性格も良くて確か勉強も出来たよね、…あ、今どこの大学行ってるか聞いてる人いる?」
トド松は問いながら同じ顔を見渡すが誰1人縦に首を振らず。「そっか〜」と口にし名前が上がってきたら聞いてみようと思い止めていた指を動かす。
「確かに名前ってトド松がいうカーストでいうと上位だよね」
「でしょ?しかも最底辺カーストの僕らにも優しいとかトップカースト民の中でも上位だよホント」
トド松とチョロ松が同世代カーストについて話していると適当に聞いていたおそ松が「別に名前がカーストトップだろうがなんだろうか関係なくな〜い?トップだろうがなかろうが名前だから好きなんだしさ〜」と珍しく正論をかますと弟2人は黙ってしまう。
「いや、まぁそうなんだけどさ」
「それ言われるともうなんも言えなくなっちゃう」
おそ松が言った「名前だから好き」に肯定した2人を見ていた一松はおそ松を入れたこの3人は確実に敵だと密かに認識し、歯ぎしりをした。最初に「しこい」と言ってきた時点でおそ松は友としての好きではないことは明らかだ、そしてそのおそ松が発した「名前だから好き」はライクではなくラブだろう、それに肯定した2人もきっとライクではない方で名前を好いていると一松は読んだのだ。3人はそこまで深くは考えてはいなかったが結論から言うと正しいのでなんとも言えないのが事実である。
「…ってか名前遅くない?僕見てくるね」
「母さんに捕まってたらなんとかしてやって〜」
「いや、言われなくてもなんですけど」
トド松はそう言って襖を閉める、おそ松が正論をかまし微妙な空気になっていたこの空間から逃げたかったようだ。部屋から出て行くトド松にチョロ松が「逃げやがったな」と言った顔をしていたのを知るのは話がきちんと読めておらず観察していた十四松だけ。← ▽ →
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