09

散々車を走らせたり大乱闘したりパーティーしたりと堪能した4人。ゲームもなんだか飽きてきた頃インターホンが鳴る。

「名前呼んでる」
「えー?俺なんか買ったかなぁ?」

名前は楽天だろうかアマゾンだろうかと予想しながらモニターを見るとそこには先ほど二階で見ていた顔と同じ顔がそこにいた。

「あれ?何松?チョロちゃん?」
『トド松!!』
「お〜!トド松!!入ってこいよ!」

トド松は「わかった!」とカメラに笑いかけ姿を消した。名前は上がり框に腰掛けトド松が入ってくるのを待つ。遠慮がちに開いた扉から覗くように顔を出したトド松に「おひさ〜〜」とひらひら手を振るとトド松は感極まった顔で名前に飛び付いた。名前は勢いに負け頭を床に打ち付ける。

「ッッッッッたぁ?!」
「わああ名前だああ!名前だ!名前!!」

ぎゅうぎゅうと抱き付くトド松に名前はため息を吐き落ち着かせようと背中をリズムよく叩いた。

「どーどー、どしたのトド松くん。そんなに僕に会いたかったの?」
「すっごく会いたかった!」
「いやーん名前君めちゃ嬉ぴってかどいて」
「あ、ごめんつい」
「頭打った〜」
「ごめんて!」
「痛かった〜!」
「だから謝ってんじゃん!」

ごめんてば!と叫ぶトド松に名前は立ち上がりトド松の両頬をムニッと両手ではさみ「んはは、いいよ、ごめんね」と笑いかける。

「〜〜っ!名前ってホントッ!!」
「あ?何?…あ、そうだ、下来たついでだし飲み物持ってこ?手伝って」
「えなに、やっぱみんな来てんの?」
「いんや、チョロ松と十四松はまだなんだよね〜ってか来るかすらわかんないし」

玄関に投げられている靴たちをみて再確認していると名前は廊下を歩いて行ってしまう、それを追いかけるように急いで靴を脱ぎついていくと自分のうちとは大違いだとトド松が思うほど広くて綺麗なキッチンにつく、高そうなコップを取り出し氷を入れていく名前を眺め自分は何をするのだろうと思う。

「冷蔵庫にお茶あるからそれ入れといてくんない?俺お菓子とってくるわ」
「あ、うん」

名前は奥のパントリーに入りガサゴソと菓子を探しているようだ。トド松は言われた通り黒光りのどでかい冷蔵庫を開け選ばれる綾鷹を手に取りコップに注いでいく。全て入れ終わる頃に名前が出てきてスナック菓子を両手いっぱいに持っていた。

「トド松お茶持ってきて、お盆そこにあるから!」
「あ〜ハイハイ」
「よし行こう!」

二階へと向かい扉の前までつくと名前はハッとして「開けれない…!」と小さく呟きガンガンと足で扉を蹴り「開けろ!開けてくれ!」と中にいるだろう松に話しかけた。

「お!お菓子じゃん!名前ナイス〜〜!…ってトド松じゃん、何きたの?」
「は?きちゃ悪い?」
「お兄ちゃんそんなこと言ってないです〜」
「あーお前らうっせぇよ入れろ入れろ」
「はいはい」

テーブルに持ってきたものを置きそれぞれ飲み食いが始まる。手に付いたカールのカスを舐めていた名前は「みんな個性強くなったよね」と思ったことをそのまま口にする。

「なんか3年生の頃みんな模索中って感じだったけどもう個性見つけてそれに走ってますって感じする。あ、おそ松は変わってないけどね」
「へっへ〜〜俺は俺だからね!」
「せやな、ってかあれだよな双子とか、同じ環境下にいると似ないように似ないようにってなるんだって。お前らの場合逆にずっと似るように似るようにってしてたじゃん?その反動?で個性めっちゃ強くなってる、特にカラ松」
「あ〜〜そっか名前中学までしか僕らのこと知らないよね…!」
「うん、俺はおそ松ベースのお前らしか知らなかったからねぇ〜〜、今だから言えるけど一松とか最初怖かったかんね」
「え゛…そうだったの」
「だってめっちゃ雰囲気変わってんもん、え、じゃあチョロ松も十四松も個性ばりばり?」
「あ〜〜きっと名前驚くよ」
「マジか、何、チョロ松がV系とかになってたりとか?」

名前がそう聞くとトド松は真剣な顔になり首を振る。そんなトド松を見つめごくりと唾を飲む。

「………ドルオタ」
「………ドルオタ?え、アイドルオタク?…オタク?!マジで?あ、でも真面目ちゃん一松がこんなんになってるし…」
「こんなんですみませんね」

拗ねたように口を挟む一松に「反抗期か」とまた突っ込む名前。

「んんんーなんか、あれから何年も経ってるんだなって改めて実感するわ」
「名前はあれだな、全然変わってないよな!馬鹿なとことか!」
「おそ松には言われたくなかったっ!」
「にゃろう、どういうことだそれ!」
「そういう事だよ!」

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