一気にいろんなものが変わりすぎて、変化が怖くなった。なにも聞きたくなくなって、この部屋に幼馴染みが来てくれない。言うんじゃなかった。なんて後悔ばかりが頭を走り回る。そんな現実も受け入れたくなくて、布団の中に潜り込み寝た振りを決め込む。部屋の外に人の気配を感じるけども、それを確認するような勇気はない。つむぎくんだったらこわいし。こんな顔見せれない。いや、見せれない。ひどい顔して出たら、あの優しい幼馴染みは必要以上に私の心に触れてくるだろう。そうだったら、多分怒鳴り付けてしまう自信はある。さっきで今だ。そう簡単に気持ちを切り替えるわけがない。
昔はこうじゃなかった気がする。そう思ってたりするけれど、もしかしたら私が都合のいいように思い出を塗り替えてるのかもしれない。ぐだぐだと思考を回していた。
思考の果ては、つむぎくんなら安定して私の部屋に入ってくるのだろう。というとこに落ち着くのだから、一周回ってもとの間柄にまですっぽり収まるし、てんでおかしな方向に思考が走って、その思考の末は治るかわからない現状でさえも、利用してアイドルの道をのぼってやろうか。一年か二年ほど前にそういう人と出会ったとも聞いている。……いや、そもそも基礎体力がないので無理か。
すっぱりと諦めざるを得ないこの思考を切り捨てて、違う方向に思考をまわせど結局の理由は、この体調のせいで却下になってしまう。
夏目くんに背中を押してもらったのに、なんだかもったいないことをしてしまったのではないか、同時に並列に物事を考えすぎて頭がパンクしそうだし、夏目くんに背中を押してもらったのに。もったいないことをした気持ちにもなる。いろんな気持ちがぐちゃぐちゃになって、私自身が濁った色になった気分。次につむぎくんがこのドアを叩くことがあるならば、そのときにはもっと違う私になってるよう。具体的な姿はわからないけど。

「絶対に、その手を掴むから。笑ってよ。つむぎくん。」

いつの間にか面会時間を超えていて、ドア向こうの気配もなくなっていた。
声が震えた。遠くない将来に私は消えて、つむぎくんの横には幸せそうに笑う誰かなんて想像できない。どれもこれも信じたくない。思いたくない。
アイドルをやめるまで。なんて私には気の遠くなるほどの先の未来。平和に終わる未来に、私の立っている姿すら想像できないのだから、今の運命。チャンスの前髪ですら離れていくことを許さない。
すべて、すべてを使って私がつむぎくんの手をもう一度握るんだから。そう硬く決めて意識は眠る。耳元で夏目くんが応援してくれている気がした。

離れていくなんて許さない。




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