町に戻り、リナさん達と無事合流する事ができた私は今、夕食を済ませ宿の一室で寛いでいた。
意外にもお店の人を泣かせていなかった彼女達は未だ食事中だが……。
と言うのも、色々ごたついた所為で銀貨一枚食べ放題の店で食べそびれてしまったのだとか。
とにもかくにも、その後私にとっては穏やかな時間が過ぎ、次の日は何事もなく出発するはずだった。
───そう。
はずだった、のだが……。
朝、それは起きた。
一階の食堂に下りていくと、朝御飯を目の前に上機嫌なリナさんと、不機嫌そうなアメリアさんがいた。
もちろん、その隣にはガウリイさんとゼルガディスさんも居る。
「おはようございます」
「おはよう、ユウ。遅かったわね?」
「あぁ、昨日お昼寝したせいか寝付けなくて……ところでアメリアさん、どうかしたんですか?」
「聞いてください、ユウさん! リナさんたら酷いんですよっ!?」
あまりにも不機嫌そうなアメリアさんに水を向けてみると、彼女は不満を爆発させた。
どうやらリナさんの寝相の悪さが原因らしい。
被害を被ったアメリアさんは仕方なく打開策を立て、けれど今度はリナさんがそれに腹を立てたとか。
「アレは正当防衛です!」
「そりゃあたしも悪かったけど、だからってベッドにふん縛る事ないでしょーが!」
…………朝から元気だなぁ。
そんな事を思っていると、横手から声が掛けられた。
「そう言えばお前、バンダナはどうした?」
「あぁ、コレでしょ? 見当たん無いのよ」
言われて見れば、リナさんの額にいつもの黒いバンダナが無い。
「アメリア知らない?」
「知りません! だから服の脱ぎ散らかしは良くないって、いつも言ってるんです」
「あぁ〜、うちの姉ちゃんと同じ事言ってるぅ。そんなに怒んなくても謝ったじゃんかぁ……」
言いながらリナさんはお皿へと手を伸ばす───が。
「あれ?」
「あ〜……ん」
「ぁあっ!? これはあたしが食べるんだからっ!」
ガウリイさんが食べようとしているお肉を見つけると、彼の後ろ頭に肘をめり込ませた。
「ぐっ……」
「えへへ……」
……リナさん、謝る態度じゃないです、それ。
思うものの流石にそれを告げる勇気はなく、リナさんがお肉にかぶり付くのを傍観していると───突如。
何故か彼女はテーブルへと突っ伏した。
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