「くっそ〜、攻撃さえ出来れば……」
「オッホホホホッ! ホホホホホホッ!」
街から外れた森の中。
嘆くリナさんの言葉に、頭上から高笑いが降り注がれた。
見れば、高い木の枝の上に立ち、コチラを見下すマルチナさん。
どうやら待ち伏せされていた様だった。
「フフフフッ、攻撃できないで何処まで頑張れるかしら?」
「……やってみるか」
「リナさん待っ……」
見ているだけの自分が歯がゆかったのか。
リナさんは私の制止を振り切り、襲い来るモンスターの攻撃を躱すと、すかさず背中に蹴りを入れた。
───が、やはり呪いの所為でリナさんの背にダメージが返ってきたようで、彼女は地面へと叩きつけられてしまう。
「ぅあ……」
「リナッ!」
「フハハハハハッ、馬鹿なことを」
「……く……こうなったら」
痛みを推して起き上がるリナさん。
そんな彼女の次の行動を見越してか、マルチナさんは余裕綽々の笑顔で言う。
「いいのかしら? 魔法なんか使ったら、返ってくる痛みもタダじゃ済まないわよ?」
「くぅ……」
「フフフっ、最期ね、リナ! そして、わたくしはガウリイ様と一緒に、ゾアメルグスター王国を作りあげるのよぉーっ!!」
その告白に驚きの声を上げるリナさん達。
…………しかし。
ガウリイさんは彼女の顔を覚えていなかったはずだけど……。
本当に二人はそんな関係なのだろうか?
思う内にも、マルチナさんは夢見る乙女の表情で佇み───そして。
「我が許嫁ガウリイ様。わたくしがリナを倒すのを、ゆっくり見てらしてね!」
「お前いつの間にっ!」
「そうですよっ!」
「知らん、俺は知らんっ!」
ゼルガディスさんとアメリアさんに言及され、ガウリイさんは慌てて首を横に振る。
その隣ではリナさんが静かに怒りに震えていた。
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