まぁ……。
ニ日前の夜に、怪しいだけでは無く紳士的な所もあるって知ってはいたけど。
それにしたってプラマイしたら圧倒的に怪しい方が断トツな訳で。
そんな彼を一も二もなくくっ付けるとは……。
さては逃げたなリナさん達。
そんな事を思いつつ、私は取り敢えず話しかけてみることにした。
「え……と、ゼロスさん」
「あぁ、僕の事はゼロスと呼んでくださって構いませんよ」
「はぁ……でも」
ゼロスさんも私の事「さん」付けで呼んでいるし……。
どうしようかとためらっていると、彼はにっこり笑って確認するかのように言う。
「僕達そんな他人行儀な間柄じゃあ無いでしょう?」
「思いっきり他人なんですが?」
「そんなあぁ、酷いですよぉっ」
無表情でバッサリ言い切ると、彼は情けない声を響かせた。
酷いと言われても……。
本当の事だし。
「ユウさぁんっ!」
「………………」
「ユウさん、待ってくださいよぉ」
反応を返さないでいると、ますます追いすがるような声で引き留められる。
何だってこんな事態になっているんだろうか。
そう思うものの、ここまで来てしまった以上、今更引き返すのも躊躇われる。
私は後ろから掛かる声に溜め息と共に項垂れ、クルリと振り返った。
そして、
「………………犬みたい」
「は?」
その呟きは、ゼロスを固まらせるのに十分な威力を発揮した。
あとがき
後悔は時に最大の糧になる
…………かもしれない。
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