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「大丈夫か? ゼルガディスの奴」

「なぁに、心配いらん。ちょっと溺れただけじゃ」

「それって十分大変なんじゃあ……?」

大事(おおごと)ですよ……」



渦潮が治まり、意識の無いゼルガディスさんを甲板へと寝かせた私達は、彼を取り囲み様子を見ていた。



「良いんですか? 放っておいて」

「そう言う訳にもいかんだろう」

「人工呼吸でもしましょうか?」

「っ!!」



…………ん?

何か今、息を呑む声が聞こえたような?

ゼルガディスさんを見てみるが相変わらず目は閉じられたままだし……気のせいかな?



「……仕方あるまい」

「そうですね、仕方ありませんね。じゃ……」



言って人工呼吸の為に顔を近づけると、ゼルガディスさんの顔に影が出来る。

うーん……心なしかゼルガディスさんの頬が赤いような?

───そして。



なんだ。

やっぱり起きてたんだ、ゼルガディスさん。

元気にじたばたもがく彼を見て、私は額に汗しながらそう確信した。

きっとアメリアさんに人工呼吸して貰えると期待したんだろうな……。



「ん゛んーっ!? ん゛ーっ!!」



アシュフォードさんに熱い口づけにも似た人工呼吸をされ、逃げようにも逃げれない彼を見守りながら、私はゼルガディスさんへとエールを送る。

頑張れ、と。

ただ一言を。

きっと今日は厄日なのよ。

───そして。



「今に見ておれレイクドラゴン! 必ずや、わしの手でっ!!」



ゼルガディスさんの人工呼吸を終わらせたアシュフォードさんは、再びドラゴンを仕留める為に立ち上がる。

船首にいる彼から離れた甲板では、胸に手を当て、息を整えているゼルガディスさん。

私は彼を慰めるように、その肩をポンポンと叩いた。

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