(4/7)

「……これをリナ様に渡すようにと」



言って、彼女は一枚の白い封筒を差し出す。



「何これ?」

「ラブレターだったり♪」



封筒を受け取るリナさんに、茶化すアメリアさん。

それを見ていたガウリイさんが、横からキッパリと言い放った。



「それだけは絶対に無いっ!」



───と。

その後は言わずもがな。

胸を張って言い切ったガウリイさんには、即座にリナさんから、制裁と言う名の鉄槌がくだった。

暗殺者の前にガウリイさんがやられてどうする……とも思うが、タフな彼の事。

数分もしない内に、何事も無かったように復活するだろう。

しかし、それはあくまでリナさん達の常識。

普通の人間にはついて行けないものがある。

故に、彼女がドン引きするのも無理なからぬ事で。



「では……わたくしはこれで……」

「あ、ねぇ、ちょっとコレ誰から?」



メイドさんは苦笑しながら断りを入れると、慌ててこの場を去ろうとした。

待ったをかけるリナさんに関わりたくないと言うように。

脇目も振らず。

……そして。



「失礼、します……きゃあっ!」



そのまま後ろを見ずに後退したメイドさんは、手すりの向こうへと落ちていった。



「あらー」

「落っこっちゃいましたね」

「……むごい事を……」

「……よほど慌ててたんでしょう、きっと」

「……で」



リナさんはメイドさんから意識をそらすと、手紙へと目をやり、



「……ま、良いや」



次の瞬間、彼女は手紙をポイッと投げ捨てた。

それに慌てたのはゼルガディスさん。



「お、おいっ! んな今後の展開無視した身も蓋も無い真似するなっ!!」

「だってあたし知らない人からラブレターなんか貰っても嬉しくないしぃ」

「知り合いなら嬉しいんですか?」

「な、何言ってんのよ!? ユウっ!!」



顔を赤くするリナさんに微笑み、ふとゼルガディスさんが拾った手紙へと視線を向ける。



「でも、このタイミングでの宛先人不明の手紙は少し気になりますね……不幸の手紙かもしれませんけど」

「リナならそっちの方が有り得るなぁ」

「ですね、リナさんの噂は城中に知れ渡ってますから」

「……アンタら、言いたいことはそれだけ?」



いつの間にか復活したガウリイさんと、アメリアさんの三人で口々に意見を述べると、怒りで顔を染めたリナさんに睨まれた。

そのやり取りに呆れたゼルガディスさんが、うんざりしながら口を挟む。



「とにかく、何が書いてあるのか開けてみなきゃ分からんだろ」

「まぁ、そりゃそーだ」



彼の言い分に納得したのか、リナさんは先ほどの怒りも忘れ、早速封を開けて手紙を読み始めた。



「えーと、何々? ……おっ!?」

「どうかしたんですか? リナさん」



アメリアさんに問われ、リナさんは手紙に書かれていることを読み上げる。

そこに書かれていたのは───。



「暗殺事件の首謀者について情報あり。さきの場所に来られたし」

「何っ!?」

「差出人は……うーん。どういうつもりかねぇ?」



訝るリナさんに、私はその手紙を覗き見る。

隣では、アメリアさんが驚きの声を上げていた。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+