「『赤の竜神』か……ふん、人間とは愚かなものだわね。こんな物を祭り上げたところで、何の役にも立たぬものを……」
それから幾ばくもせず現れた魔族は、馬鹿にしたようにそう呟いた。
それが合図だったかのように、石像の上にすっくと立ったリナさんは、魔族を見下ろし悠然と言い放つ。
「そうでもないわよ? あんたの気を引くぐらいは出来るみたいだから」
「……こんな逃げ場の無い所に逃げ込むとはどう言うつもり?」
「もちろん、アンタを倒す為に決まってるわ!」
「面白い事を言ってくれるじゃない」
リナさんの挑発に、魔族は黒い光球を石像に向かって投げ付ける。
リナさんはそれを軽々と避け、
「今よ! ユウっ、アメリアっ!!」
「何っ!?」
彼女の指示で私とアメリアさんは『赤の竜神』の影から飛び出し、唱えておいた術を解放する。
『崩魔陣!!』
私達の放ったそれは魔族を中心に六紡星を描き、敵の動きを封じ込めた。
「この程度の呪文で……っ」
慌てた魔族は、術を破ろうと力を振るうが……。
バチィッ……!
「馬鹿なっ!? このわたしが人間ごときの呪文でっ」
「ところが、そうじゃないんだな。このセイルーンには聖なる結界が張られているのよ。ましてやこの神殿は結界の中心部。アンタ達魔族の力は弱められ、逆にユウやアメリアが使った白魔術は強化されるの」
「ご愁傷様です」
「ブイッ!!」
「さぁ、少し話を聞かせてもらいましょうか!」
私達が勝利を確信し、騒動の首謀者を聞き出そうとした……その瞬間。
「ふふふ……我々魔族を甘くみるなぁっ!!」
魔族の嘲笑と共に気が膨れ上がり───気付いた時には私達は吹き飛ばされていた。
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