「じゃあ、一体何の為に出てきたのよっ!?」
「だって、もしリナさんがこの状況を一人で脱したら、後で何言われるかわからないじゃないですか。『アンタ何やってたのよっ!?』とか」
「って、結局自分の為かっ!?」
「そうとも言いますね」
「そーとしか言わんわッ!!」
などとやってる内にも、再度魔族の手に魔力が集まる。
少し遊びすぎたかも。
反省するも、それで魔族が待ってくれるはずもなく───。
「お遊びはそこまでだ、死ねぃッ!!」
「えぇい! 魔術よ戻って! 烈閃槍っ!!」
破れかぶれに術を唱えるリナさん。
けれど、やはり魔力は生まれない。
こうなれば取りあえず身の安全だけは確保しなければ。
私は再度攻撃を打ち消す為に、一歩前へと足を踏み出し───。
「お手伝いは一度キリですからね」
……ぇ?
声に振り向くと、大っぴらに動けないと言っていたはずのゼロスが、そこに居た。
「っ、ゼロス!?」
「お前はッ!?」
彼は自分の頭上に杖を掲げると、呪文を詠唱し始める。
「───四界の闇を統べる王」
「この呪文は……っ」
「汝の欠片の縁に従い 汝ら全員の力もて 我にさらなる魔力を与えよ」
ただ淡々と。
私達を助ける為に。
───そして。
「暴爆呪!」
彼の身に付けている四つの『呪符』が呼応し、力ある言葉を発したと同時に、彼の周りに近寄っていた手下の魔族達が、呪力結界により滅ぼされた。
呪文を唱えた時に生じる、術者を護る為の一種の魔力障壁。
それだけで、これである。
───その後。
魔族は逃げる暇もなく炎に巻かれてしまった。
ふと気付くとゼロスの姿もそこには無い。
あるのはただ、魔族の断末魔。
それだけ。
あとがき
いつも笑顔の彼。
その裏にあるものは───?
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