「───クラウレの根がひと束と、メルティアの薬がふたつ。ラーディリンの指輪と、レムタイトの原石! おまけにクルファの丸薬もつけちゃうっ!」
一体どれだけ出てくるのか。
広げたマントの上に、高価な『魔法の道具』がどんどん置かれていく。
リナさんは言いながらアイテムを並べ終えると、ゼロスに指し示して見せた。
「コレだけあれば捨て値で売っても550万はカ〜ルく越えるわよ!」
「………………」
「…………売るわね?」
「……で、ですが」
渋るゼロス───しかし。
「売ーるーわーねっ!?」
「ぅ……仕方ありません」
この勝負、リナさんの迫力勝ち。
それを見ていたマルチナさんは、面白くなさそうに大鍋の中に引っ込んでしまった。
私としても、さすがにその金額には張り合えず辞退する。
まぁ、どのみち持って帰れないし、諦めはつく。
ゼロスは渋々四つのタリスマンを取り外すと、仕方なさそうにリナさんへと手渡していた。
「……ですがリナさん、今コレを使っても大した魔術が使えるとは……」
「わかってる。それより問題なのは、何で魔族があたしを襲ったのか……ね」
確かに、それは気になるところである……。
───そんな中。
「ねぇ……コレってなぁに? さっきの爆発で紛れ込んだみたい」
マルチナさんから不思議そうな声が上がり、一同の注目を集めた。
彼女が持っていたのは、箱に入れられた一冊の本。
「……まさか……」
「嘘……」
紅色の表紙に金の縁取りをされたその本は、まさしく───。
「そうよ! 間違いないっ! コレはッ!!」
伝説の異界黙示録。
その写本だった。
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