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「う〜ん……参ったなぁ」



ぼったくり同然で手に入れた地図を手に、リナさんは辺りを見渡した。

それを見ていたガウリイさんが、ウンザリしながら言う。



「この場所何度目だぁ……?」

「何度目かは忘れたが、ジャングルに入って3日は経つぞ」

「ガウリイさんが覚えてるくらいですからね……いい加減この景色にも飽きました」



ゼルガディスさんに続き、私も溜め息を吐きながら辺りを見渡す。

視界に入ってくるのは生い茂る木、草、ツタ。

遺跡が在る気配は微塵もない。



「だってしょうがないじゃないの。コレって宝の地図みたいなものよ? 遺跡の在りかが謎解きになってんだもん」

「で、今度は何だ?」

「目印は貴婦人の横顔って言うんだけど……ドコに……」



もう一度地図を見ると、リナさんは木の上に居るアメリアさんへと呼び掛けた。



「アメリア〜っ! 何か見える〜?」

「えっと、貴婦人の横顔……貴婦人の横顔……見つかりませんねぇ……」

「もうっ! どこの冒険家が書いたのか知らないけど、探す方の身にもなってよねっ!!」



思っていたような返事はなく、リナさんは苛立ちを露にする。

それは探し物が見つからないだけではなく、ジャングル特有の蒸し暑さも不機嫌の理由の一つだろう。

ぴったりと汗で張り付く服が、気持ち悪いったらない。

そんな中、ガウリイさんとゼルガディスさんは平然とリナさんへツッコミを入れた。



「すぐに見つかるようじゃ、宝の地図の意味がない」

「オレもそう思う」

「でも早く見つかってくれないと、また野宿になっちゃいますよ? 水浴びもしたいですし」

『…………』



パタパタと服を摘まんで仰いでみるが、それ位でどうなる様な暑さではなかった。

張り付いていた服が肌から離れたので、不快感は幾分か軽減されたけど。

それも幾ばくもせずに、もとに戻ってしまうだろう。

それに何より、この場所は私の天敵が多いのが一番の問題である。

一応簡易結界は常時張り巡らしてあるけど、このままじゃあ結界が切れるのもそう遠い未来ではない。



「とりあえずジャングルは抜けたいですよね」

「そうね。たく、アンタ達も少しは手伝いなさいっ!」



座ったまま傍観するガウリイさんとゼルガディスさんに、リナさんの叱咤が飛ぶ。

すると、ハッとしたような表情を浮かべたゼルガディスさんは、すぐさま何かを感じたのだろう。

口許に笑みを浮かべ、立ち上がるなり剣を抜いた。



「ならコッチを引き受けよう」

「ふふん」

「え? コッチって……?」



見ればいつの間にかガウリイさんも抜き身の剣を構え、草むらの奥へと視線を飛ばしている。

状況が分からず、私とリナさんは顔を見合わせ、そして次の瞬間。

ガサガサッと草木を掻き分け出てきたのは、



「見つけたぞっ! ボーデン様に逆らいやがった奴等だなっ!?」

「少しは腕が立つって話だが、今度はそうはいかねぇぞっ! いいか、おれ達はな、ボーデン様の……」

火炎球(ファイアー・ボール)っ!」





ちゅどーん!



ボーデンの部下とおぼしき彼らは、しかし。

リナさんの攻撃呪文により、瞬く間に黒焦げになった。



「……ペラペラ喋ってるから」

「だぁ、スッキリした!」

「お……おい」

「お陰で少しはイライラがおさまったわ。さて、謎解きに集中するか」

「オレ達の立場は……?」



無論、訴えるようなガウリイさんの言葉など、彼女には届いていないのだった。

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