それから一体どれだけの時間が過ぎただろうか?
空っぽの部屋ばかりを見つけ、時間だけが過ぎて行く。
そして今回開けた扉の先も同じく空っぽ───という事にはならなかった。
「あ! リナさんあそこっ!!」
「うわぉ! いかにも怪しいじゃないっ!!」
アメリアさんの指差す方へ目をやると、部屋の真ん中に白い祭壇と柩がある。
私達は警戒しながらもそれに近より、柩を開けてみた。
そこに収まっていたのは───。
「やったぁ!」
「コレが呪文書ですね」
喜ぶリナさん達の間から、ゼルガディスさんは金の表紙の本へと手を伸ばし、中身を確認する。
「聖なる巫女の神への書……やっぱり異界黙示録では無いのか……」
ガックリと肩を落とすゼルガディスさん。
そこにリナさんが明るく声をかけた。
「良いじゃないの。話じゃ強力な魔法が記されてるはずよ」
「また次がありますよ」
「これは何だ?」
ポンポンと彼の肩を叩きながら慰めていると、ガウリイさんから不思議そうな声が上がる。
見ると彼は一着の服を手にしていた。
「何かの衣装みたいですね」
「……呪文書と一緒に入ってたって事は、それに関係あるんでしょうけど。呪文書には何か書いてありますか?」
「ちょっと待て……神の力を讃えし者は、聖なる衣装をまとうべし。この呪文を使うには、その服を着る必要があるようだな」
「えぇー? こんなのぉ……?」
ゼルガディスさんの説明に、リナさんは服を手にして不満そうな声を上げる。
「二着ありますけど…」
「二人がかりで詠唱する呪文のようだ……かなり長いぞ。おまけに身振り手振りによる印を結ぶ必要がある」
「えぇー? 面倒だなぁ」
リナさんが呟いたその途端。
「それはアタシ達の物ネ!」
「あぁっ!? またアンタ達っ!! ……ん?」
声と共に現れたのは、チャイナ服の双子だった。
しかし、それとは別の足音が聞こえ、
「見つけたぞぉっ!」
「今度こそ、ここをお前達の墓場……ん?」
「ふははははっ! さっきは不意打ちに不覚を取ったが、今度はそうはいかない」
続けて現れる、ボーデンの手下と仮面の魔族。
魔族に至っては先程馬鹿にされたのを気にしてか、体型が変わっていたりする。
と言っても、仮面に手足が生えているだけの相変わらずの残念クオリティだが……。
「何でこうなんの……」
「まずは、舐めた真似をしてくれた貴様らっ!」
リナさんの嘆きを無視し、魔族は扇をぶつけた双子を見やる。
それに慌てた彼女達は、関係ないと主張した。
それに便乗して、ボーデンの手下達も関係ないと魔族に申し出る。
……意外に根性無いな。
私としてはリナさんに喧嘩売る方が怖いけど。
それはさておき。
基本的に、魔族が人の言うことをすんなり聞き入れてくれることは、まず無い。
そんな訳で、仮面の魔族は辺り構わず攻撃をし始めた。
ALICE+