ダンネン(1/8)

───眠れない。



布団に入り寝返りを打つのは、もう何度目だろうか?



「…………はぁ」



小さく息を吐いた後、私は眠ることを諦め、ベッドから抜け出した。

辺りにはシンとした空気が漂っている。



───時刻は真夜中。

一階の食堂も閉まったのだろう。

先程まで聞こえていた酔っぱらいの喧騒も、今は聞こえない。



「………………」



私はモヤモヤした空気を入れ換えるべく、部屋の窓を開け、夜の空気を室内に取り込んだ。

澄んだ空気が頭をクリアにしていく。

それと同時にここ最近の出来事を思いだし、私は深く長い溜め息をついた。

そうして滑り出たのは後ろ向きな言葉。



「───……帰っちゃおうかな……」





もと居た世界に。

帰ってしまおうか。

彼の居ない世界に。

そうすれば───。



















そうすれば。

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