イケエ(1/7)

「………………」









ニコニコニコ……。







「………………」











ニコニコニコニコ……。











………………………………………………………………………………………。











ニコニコ……



って。




「えぇい、鬱陶しいっ!!」









頭の隅で何かが切れる音を聞きながら、私はそう声を荒げていた。

それに対し、私の後ろをついて歩いていたゼロスは、「突然どうしたんですか?」と何食わぬ顔で、いけしゃあしゃあと聞いてくる。



「どうしたもこうしたも! 聞きたいのはこっちですよ!」



私はゼロスに詰め寄ると、一気にまくし立てた。



「人の事を観察するようにジッと見てたじゃないですかっ!! それはもう鬱陶しい位にっ!!」

「鬱陶しいだなんて酷いですねぇ」



勢い任せに叫ぶ私に、ゼロスは困り顔でポリポリと頬を掻き、



「僕はただ、ユウさんの事が知りたいだけですよ」



と、いきなり私に抱き着き言う。

更に私の頭に頬擦りをしながら、



「言ったでしょう? ユウさんに興味があるって」

「……って然り気無くセクハラしないでいただけますか、神官様」



腰にはゼロスの手がガッチリと回され、離れようにも離れられない。



「ユウさんの抱き心地が良くて離れがたくなっちゃいました」

「それが鬱陶しいって言ってるんですが」



見ればリナさん達は他人のフリしてかなり前を歩いている。



「まぁまぁ、そう仰らずに。それにリナさんに好きにして良いと許可を頂いてますし♪」

「私は許可した覚えはないです」



私は彼から少しでも離れようと、腕を突っ張ってみるが、悔しいことにゼロスはびくとしない。

そもそもこんな事になったのも最初から最後までゼロスの所為。

そう。



───事の起こりは10分程前に遡る。

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