「ゼ〜ロ〜スぅ〜?」
ズタボロになりながら額に青筋をたて、怒りの形相でゼロスに詰め寄るリナさん。
それに対しゼロスは、「いやだなぁ、リナさん。そんな恐い顔しないでくださいよぉ」と、いつもの笑顔を少しだけ困らせ、彼女の神経を逆撫でしている。
「一体誰の所為だと思ってんのよっ!! 誰のっ!?」
案の定、彼の台詞にぶちギレたリナさんは彼の胸ぐらひっ掴み、がっくんがっくん揺さぶりながら声を荒げた。
「いやぁ、誰の所為でしょうねぇ」
「おもいっきりあんたの所為でしょうが!! こぉのすっとこ神官っ!!」
…………まぁ。
リナさんが怒るのも無理はない。
ここまで来る道すがら、それはもう罠という罠に引っ掛かったのだから。
と言うのも、ゼロスが何だかんだリナさん達にちょっかいを掛け、怒らせたり暴れさせたりしたせいで罠を作動させてしまったのだ。
「あんたの所為でどれだけ苦労させられたと思ってるのよっ!?」
「そうですよ。私達が来た時にはそんな簡単に罠に掛かりませんでしたよ?」
「一体どういうつもりだ」
アメリアさんとゼルガディスさんは呆れと疲れを滲ませ、ゼロスに問う。
すると彼は平然と、
「つもりも何も、そんな事して僕に何のメリットがあるって言うんですか?」
「知らないわよ。けどあんなにポンポン罠にかけられりゃ、嫌でも何かあるんじゃないかと思うわよ」
「そうかぁ? オレは全然気付かなかったけどなぁ」
「あんたの意見は聞いてないっ!!」
…………ガウリイさん。
リナさんはガウリイさんの言葉を一刀両断に切り捨てた後、じと目でゼロスを見やり、半ば諦めたように言う。
「まぁ、どうせあんたの事だから素直に理由を話すとも思えないけど?」
「はっはっはっ、流石はリナさん。良く解ってらっしゃる」
「……解りたくもないけどね」
嬉々としたゼロスの声にリナさんは深い溜め息を吐き……。
その後、何を思い付いたのか彼女は急に顔を上げた。
そして、がしぃっと私の肩を後ろから掴み……。
って、えっ!?
「ちょ……リナさん?」
「ったく、よーく解ったわ」
「ぇ?」
まるきり他人事として成り行きを見ていた私は、突然のリナさんの行動に戸惑う。
けれどリナさんはそんな私を無視し、諸悪の根源であるゼロスへと視線を送ったまま、
「ゼロス、コレ好きにしていいから、余計な事しないで」
と、事もあろうに私を彼へと突き出したのだ。
ALICE+