「はぁ……はぁっ……二人とも、早過ぎっ……」
ゼルガディスさんはわかるとしても、ミワンさんまで駿足とは……。
侮りがだし、お姫様。
まぁ、ヒーローかぶれのお姫様が居るくらいだから、運動神経の良いお姫様がいても不思議ではないけど……。
見た目とギャップがありすぎる。
ミワンさんておしとやかなイメージなのに……。
意外と活発なのかも。
そう思ったのは他でもない。
息を切らし、ようやく二人の後ろ姿を見つけた時に、何故かミワンさんがモーニングスターを振り上げていたからである。
その動きを止めたのはゼルガディスさん。
「ミワンっ!」
「っ!?」
「そいつを壊せば巫女にならなくて済む……か?」
静かな問い掛けに、ミワンさんの動きが止まる。
どうやらミワンさんが壊そうとしていたのは、先程彼女自身が教えてくれたご神体らしい。
私は走る速度を緩めると、静かにゼルガディスさんの隣へと並んだ。
「でも、それで本当に未来を変えることになるのか?」
「…………」
彼の言葉に、ためらいが生まれたのだろう。
ミワンさんは、ゆっくりと手にしたモーニングスターを下ろす。
───それにしても。
あんな重たい物を持ちながら良く走れたな……ミワンさん。
そんな私の疑問など知るよしも無く、ゼルガディスさんは語り続ける。
「一緒に来るか? ……おれ達と」
「えっ!?」
その誘いに、驚き振り向く彼女。
と、その時。
突然、湖の水が意志を持ったかのように動き、ミワンさんに襲い掛かった。
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