「きゃあっ!!」
「ミワンさんっ!?」
「っく、ミワンを離せぇっ!!」
抜き身の剣を振り上げ、彼女を取り巻く水を足元から断ち切るゼルガディスさん。
それは彼の腕を持ってすれば造作のない事だった。
───が。
もともと原形のない水に、切ってダメージを与えるのは不可能に近い。
再び襲い来た水は、ミワンさんとゼルガディスさんを包み込んでしまった。
そこに、
「ぜ、ゼルガディスさんっ!?」
「……何よコレッ!?」
後ろから掛かった声はアメリアさんとリナさんのもの。
振り向き見ればガウリイさんやゼロスの姿もある。
伝言を受けてか、はたまたただ単に騒ぎを聞き付けて来たのか。
どちらにしても心強い事にはかわりない。
そんな中。
泉から響いてきた不気味な声。
「ふっふっふっ、遅いお着きだな」
「っく……」
身構える私達の前に現れたのは───。
「っ!? エヴィアっ!?」
「えぇっ!? さっき倒したばっかりだろ?」
「お知り合いなんですか?」
「知り合いっちゃ、知り合いかしら? もっとも、長い付き合いはしたくないけどね」
目の前の魔族を睨みつけながら、軽口を叩くリナさん。
って、あまり人の事は言えないけど。
「じゃあ、ここは早急にお帰り願いましょうか」
「オッケー」
本当なら、魔族とのごたごたにあまり首を突っ込みたくはなかったが、ゼルガディスさん達が捕われの身である以上、放っておく事も出来ない。
「にしても何でコイツがここに……」
「倒したのは確かなんですか?」
私はエヴィアと呼ばれた魔族を見据えながらリナさんに問う。
「そのはずよ」
「……となると、何か見落としている事があるのかもしれませんね」
「見落としている事……そうか! 水がアンタの正体ねっ!?」
「ふふっ、その通り」
水を自在に操る魔族かと思いきや、水が本体とは。
魔族って本当何でもありなのね。
「く……この魔族めっ!」
「ゼルガディスさん、今助けますからね! ブラスト……」
苦しむゼルガディスさんを見て、アメリアさんが呪文を唱える。
が、それに待ったをかけたのはリナさん。
「ちょい待ち! ヘタに手を出せばゼル達も巻き込まれるわ」
「でも……」
「落ち着いてアメリア!」
「大丈夫ですよ、アメリアさん。皆で力を合わせて仲間を救う……英雄伝の王道でしょ?」
「ユウさん……」
言って静かに微笑めば、アメリアさんはコクンと小さく頷き───そして。
「おのれリナっ!」
突如現れたトラブルメーカーことマルチナさん。
彼女は、背後からいきなり現れると、リナさんの首を締め上げた。
「ぐぇ……」
「よくもわたくしを盾にして逃げてくれたわねっ!? このぉっ!!」
「ほら、来ますよ」
一見ジャレている様にも見えるリナさん達。
ゼロスの言葉が合図だったかのように、エヴィアはその機を逃さず攻撃を仕掛けてきた。
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