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「…ぇ? お婆ちゃんっ!?」



驚くリナさん達。

見れば隣に居たはずのアクアさんは、紋章を介して彼女らの前に移動していた。



「どうやらここまでの様だね」

「邪魔をする気か、水竜王よ」



アクアさんを見て、魔竜王が苛立たしげに問い掛ける。

それにいち早く反応したのはリナさんだった。



「水竜王……?」

「そんな大したもんじゃないよ。あたしは千年前の戦いで滅ぼされた水竜王の残留思念のカケラに過ぎないんだよ」

「じゃ……じゃあ!」

「そう、あたしはここにある写本に刻まれた力の影法師」



なる程……。

それで石版の内容を理解してたのか。

思う内にも魔竜王の放った魔力球は石版を巻き込み、全てを飲み込んでいく。



「良いかい、ここを出たらカタート山脈においで。真の異界黙示録(クレアバイブル)の元へ」

「お婆ちゃんっ!」

「あんまり役に立てなかったけど、しっかりやるんだよ」



アクアさんは微笑み、そう告げると、リナさん達を神殿から消し去った。

おそらく、安全な外に飛ばしてくれたのだろう。



「一つ借りができてしまいましたね、水竜王……」



傷口を押さえたままゼロスは呟き、私を連れて空間を渡る。

───そして。





どごぉおおおおんっ!

夜の澄んだ空気が肌を刺すのを感じたと同時に、背後で爆発音が鳴り響いた。



「……何がどうなったんですか?」



爆発音が消えた頃。

アメリアさんが誰にともなく尋ね、それにゼルガディスさんが答えた。



「どうやら、あの婆さんがおれ達を外へ……」



辺りを見渡せば、そこは昼間訪れたリードの村の広場だった。

私達は無事逃げることに成功したらしい。

となると、今後の事も含め、話し合った方が良いだろう。

私は隣で暗い表情をしているリナさんに、そっと声を掛けた。



「───……とりあえず、宿を取りましょうか」

「……そう、ね」



その提案に。

彼女はただただ、力無く頷いた。

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