「…………いい加減離してくれませんかねぇ?」
「………………」
後ろの彼に声をかけてみるがまるで無反応。
私は小さく溜め息を吐くと、何とはなしにゼロスの頭を撫でた。
───って、なにコレ!?
すっごいサラサラっ!
羨まし過ぎるっ。
その手触りに魅了され、撫で続けていると、何を思ったのか彼はポツリと私の名を呼んだ。
「……ユウさん」
「はい?」
「ユウさんには何か不思議な呪いでもかかってるんですか?」
「は?」
真面目な顔で突拍子もない事を言い出すゼロスに、私は思わず声を出していた。
「どう言う意味ですか、それは」
「いえ……最初はからかうつもりで抱き着いたんですが……」
「オイ」
「何故か本当に離れがたくて……」
………………。
「不思議ですよね。ユウさんには数日前にお会いしたばかりなのに、何故か懐かしく思うんです」
「…………」
「すみません、変ですよね」
言って彼は私からスッと離れる。
名残惜しかったのか最後にギュッと力を込めて抱き締めてから。
それが───その行動が何故か寂しくて。
私はその想いを消し去るように極力意地悪く笑い、そして言う。
「そんなの……ゼロスが変なのは今に始まったことじゃ無いでしょう?」
「ユウさぁん……それは無いですよぉ」
「それに、もしかしたら案外……本当に出会っていたのかも……」
「……それはどういう……?」
疑問を投げ掛けるゼロス。
けれどその言葉は途中で遮られてしまった。
「ゼロスっ!! どーゆー事よコレはっ!?」
と言う、リナさんの怒声によって。
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