「ちょっ!? それって……」
「あぁ、いえ。だからって仲間にもなりません」
言って魔竜王を見て、私は彼に告げた。
「ごめんなさい。貴方とは戦えないけど、リナさん達と敵対する事も出来ません」
どちらとも戦わない。
それが私の出した結論。
リナさんと出会ってなければ、魔竜王と敵対することは無かったかもしれない。
でも、私は出会ってしまった。
リナさんと。
それは何者にも変えられぬ事実。
それを無かった事には出来ない。
したくない。
けれど、魔竜王とも戦いたくない。
一瞬でもそこに───……『彼』を見つけてしまったから。
「つまり、仲間にもならず、敵にもならねーってことか?」
「はい」
「ふっ……なら仕方ねーなぁ……」
ハッキリ述べた私に魔竜王はその顔に笑みを浮かべながら瞑目し、そして。
「知ってるか? どっち付かずのコウモリは皆に嫌われ、最後に森を追い出されちまうんだぜ?」
次に目が合った時。
そこに笑みは無かった。
「……あぁ、ありましたね。そんな話。でもそれならそれで本望です」
「ぁあ? 卑怯者と罵られ、嫌われるのがか……?」
「まさか」
肩を竦める私に、彼は眉を顰る。
「じゃあ何だ。追い出されるのが本望だってのか?」
「それも違います」
「じゃあ、お前の望み何だ?」
「それは───」
「それは?」
聞き返してきた魔竜王に、私は人差し指を口に持って行き、
「秘密です」
と微笑んだ。
───その瞬間。
「気に入らねぇな……」
ポツリと呟き、そして。
「そのセリフ、気に入らねーんだよっ!」
魔竜王は『気』を膨らませ、同時に、耳元で風が唸った。
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